ワイナリー《リドルフィ》の旧所有者は、フィレンツェの貴族リドルフィ家。
2011年にオーナーが変わり、
2014年に着任した醸造責任者ジャンニ・マッカーリのもと、際立って繊細優美なブルネッロを生み出し、初作
2014VTからワインジャーナリズムで絶賛を博す。ジャンニ・マッカーリは、ポッジョ・ディ・ソットとサリクッティという別格のブルネッロで延べ
25年間ブルネッロ造りに携わった。その間、ポッジョ・ディ・ソットではジューリオ・ガンベッリの薫陶を受けながら醸造責任者の大任をも果たし、サリクッティでは化学出身の理知的なオーナーのもとで、優雅で洗練されたブルネッロ造りに貢献した。リドルフィの醸造責任者としては、就任直後から畑をビオロジック栽培に転換し、セラーも機能と衛生面向上のため全面的にリノベーションを実施。なお、モンタルチーノ以外に、少量ながら硬質純良なキアンティ・フィオレンティーノも産する。
【ジャンニ・マッカーリ】
1990~
2009 ポッジョ・ディ・ソットでジューリオ・ガンベッリ(
2012年死去)の右腕として働き、最後の
10年間は醸造責任者として勤務。
2009~
2014 サリクッティで醸造責任者として勤務。
◆
畑
モンタルチーノの街の北東部に畑を所有し、ガレストロ土壌と
“塩分を多く含む灰色の海洋(性堆積)土壌
”とが点在しています。それぞれの区画にあった
7つのクローンを選別し、栽培。ジャンニがやってきた
2014年にはすぐにビオロジック栽培へと転換をして、現在はトータルで
21ha、そのうち
14haをブルネッロの畑を持っています。
この
“塩分を多く含む灰色の海洋(性堆積)土壌
”は、ブドウを含む植物の栽培には適さないと長い間言われてきましたが、ジャンニはこの土壌の与える、ストラクチャーに大きく興味を惹かれ、研究を重ね、最適な台木とクローンを選び抜いて、
6haを
2013年に植樹しました。
年
2~
3回の間引きを行い、それぞれのブドウ房が適切な熟度のなるように調整。しかし過度な凝縮感は必要ありません。農薬は、ボルドー液、硫黄、ゼオリーテと呼ばれる鉱物の粉(湿度を吸収し、菌の繁殖を抑える)を使用しています。
◆醸造
2014年に改装されたセラーの設備は近代的で、自然酵母でステンレスタンクにて発酵。亜硫酸添加は通常、醗酵前と醗酵後、澱引きの際に必要であれば行う。マロラクティック醗酵を安定させるために、乳酸菌の添加を行う。
ロッソ・ディ・モンタルチーノとブルネッロは、フレンチ・オークとスラヴォニアン・オークの両原材を用いた樽に移した後、トノーと大樽で熟成(パウシャ、バロン、タランソー、グルニエ)。
リゼルヴァだけは毎年造るわけではなく、イタリアのガンバ社のスラヴァニアオーク樽
100%で熟成、無濾過で瓶詰めしています。
キアンティを含めてジャンニの手がけるサンジョヴェーゼには、いずれも果実味の透明感があり、特に軽快な果実味には、酸味と塩味が加わり、高い次元で微妙なバランスを実現しています。繊細な感性と、近代醸造技術への深い理解を感じるワインです。