イ・ヴィニェーリ


 

サルヴァ・フォーティーがコンサルタントを務め、通常が現地でしか飲めないワインだが、ラシーヌが日本にだけ輸入している。

非常にレベルが高く希少なワイン!

イ・ヴィニェーリによって手入れが行われ、管理がされているブドウ畑は、エトナの大地と、そこに ある風景を含めた地域全体を表現している。イ・ヴィニェーリのメンバーは、エトナの大地と文化をより純粋に、そしてより真実にせまる表現ができるようなワ インを生み出せるように心がけて働いている。収穫が始まるのはほぼ毎年10月後半以降であり、そのころにはしばしば、かなりのブドウ樹がすでに葉を落とし てしまっている。果実は生まれ持った酸を徐々に失っていき、急激にではなく長い時間をかけて徐々に糖を蓄え、最良の熟成バランスに到達するのだ。

10月か ら11月にかけての収穫期は、寒いとまではいかなくとも常に涼しい。この時期には度々起こりうる多量の雨をもたらしかねない天候の心配をしなければならな いが、その一方で、温度管理システムも培養酵母も用いず、ほんのわずかな量の硫黄を用いただけで木樽もしくは桶で発酵を進めることができるというメリット がある。熟成と、月齢を考慮に入れながらのワインの移し変え、そして瓶詰め前にワインが飲用に適するレベルの熟成具合に到達するまで辛抱強く待つというこ とが、特徴的で唯一ここにしかない大地を表現しうるワインをもたらすのだ。

ヴィニェーリVigneri

“話をしていると、畑で仕事をしている人たちのうちの1人が近づいてきた。彼はマウリツィオ、 イ・ヴィニェーリの親方分だった。はっきりとした、活気に満ちた、知的なまなざしをしている。彼を見ればすぐに、火山のような性格の持ち主だと気づくこと だろう。紹介が一通り終わるや否や、マックスが尋ねた。
「昔からアルベレッロ仕立てで栽培をしているのですか?」
「まあブドウの樹の下に産まれたようなものだからな!」とマウリツィオは笑いながら言った。
「私がまだ幼かったころから、栽培家であった父は、働きに行くとき私をいっしょに連れていってくれていたのだよ。私にとっては、何一つ辛いことはなかっ た。私はブドウの樹を剪定したり、いじったりするのが好きだったし、収穫なんていったら、もう大好きだった。実を言うと、私たちがやっているように、畑で 手作業で、しかもアルベレッロ仕立てで栽培を行うのは、大変な手間なのだよ。だから、私たちに言わせればこれは高貴な方のための仕事ではなく、栽培家の仕 事なのだよ。ほんとにばかげてるやり方だろう。それでもイ・ヴィニェーリの私たちにとっては捉え方が少し違っていて、なにもブドウに実をならせるのを目的 としているのではなく、純粋に1本のワインをつくりたいからそのような手法をとっているのだよ。他人にとっては難しいことかもしれないが、私たちにとって はなんと素晴らしいことか!」”

Salvo Fotiサルヴォ・フォーティ著、『La Montagna di Fuoco』より

私たちの畑は、とてもきれいに整然としているだとか、均一だとかいうことはないが、私たちの大地 を、そしてそこに息づく全てのものを表現している。ブドウの樹々はまるで、人生における様々な段階や、そして文化的、社会的な様々な表現を体現していて、 ともに文明を形成する集団であるかのようだ。つまり、私たちのブドウ畑には、若い樹もあれば、それほど若くない樹、年を取った樹もあり、さらに複数の品種 の様々なクローンがともに存在しているのだ。それぞれが何かを表現しており、表現された各要素が集まって、その集合体として、特徴的で唯一の存在となるワ インを生み出すのだ。
ブドウ畑の継続性は、畑の端のほうに育つ野性の花しかり、種の多様性そのものである。ここ数年は、徹底した畑の回復と、樹齢が100年を越えたために植え替えが必要だった土着品種の樹の植え替えを行うための我慢の年であった。




 ブドウ品種

昔は、イタリア全土に広がるブドウ畑では、非常に多くのブドウ品種が栽培されていた。今日では、 いわゆる土着品種と呼ばれるこれらのブドウの多くが、姿を消してしまったか、ほんの一部のごく限られた古い畑でのみ栽培されているという状態だ。この半世 紀の間にイタリアのブドウ畑は、主にフランスから持ち込まれた品種に土着品種がとって変わられたか、もしくは補助品種として栽培される程度になり、実際に 栽培されている土着品種の数が急激な減少するという激変の時期を経験した。国際品種の普及と台頭は、優れた技術的はさておき、ブドウ自身の環境に対する適 応能力が高いために、栽培される場所をあまり選ばないため、ほとんどの地域で栽培が可能であるということに起因している。つまり、栽培が容易な品種が重要 視され、広範囲に亘る研究と、多大な技術的・金銭的な投資が行われてきたのだ。一方、生まれ育った環境に強く依存する土着品種はしばしばなおざりに扱わ れ、他の地に移植されても、質の面でも量の面でも新たな技術が求める期待にこたえることができないために、時が経ってしまった今、もはやそれらの品種への 関心と重要性が失われてしまったのだ。

4、組合

イ・ヴィニェーリの組合に所属するワイナリーには、土着品種のアルベレッロ式の仕立てを用いた栽 培、環境に対する尊敬の念を抱いているなどの共通点がある。その基盤となるのは、その地域であり、繰り返されるワイン造りの哲学への尊敬の念だ。ボトルの 中に写し出された彼らのシンボルは、イ・ヴィニェーリでしか成しえないものだ。

《所属ワイナリー》 Il Cantante / Azienda Daino / Cantine Edom〓 / Fattorie Romeo del Castello / Azienda La Rosa / Tenuta di Castellaro / Vini Biondi

5、ワイン

追憶il ricordo....

10月の初旬、毎年この時期になると、早くも雰囲気、ふるまい、言葉など、毎日の行動の中に、違和感、ぬぐいようのない不安感、おそれを感じる。

それは、喜びや不安が入り混じった状態に陥る、収穫前のプレリュードである。この1年間の努力を たやすく足蹴にしかねないことを、誰もが知っている。失われた1年になるかもしれない。頭上を越えていく、水分を蓄えた灰色の雲を見ながら、特徴的な香り をつかめるように集中する。無関心なように見えるかもしれないが、目が語っている。エトナ山へと雲が引き寄せられるのを見て我々は、その雲が我々の頭上で とまってしまわないかと、とても心配している。我々の望みは、風が雲を追い払ってくれることだ。

雨は、他の時期では重宝がられるものの、今はそれを恐れずにはいられない。気にしていないようなふりをしていただけだ。私の祖父は、よくこう言っていた。「山は、雨は降らないと言っている…心配は要らない。」
夕方になると、部屋の中心にあるストーブの周りに集まり、私たちは祖父の話に耳をかたむけていた。祖父の話は故意的に私たち子供を恐がらせるものでありな がらも、私たちを魅了してやまなかった。祖父はたくさんの物語を知っていたのだ。収穫を待っているある晩のこと、神秘的な話でも重大な真実でも信じてしま うような空気が流れているときに、暖炉の周りで重要な事実を明らかにしたのだ。祖父はいったのだ。私の大切な家族たちよ…。「ワインはブドウからつくられ る。ブドウからだけだ!」

私たちはあっけにとられた。ワインがブドウからつくられるというのは明白なことだったのではないのか?もちろん、ワインはブドウからつくられるではないか!そのときから幾度もの収穫を経験してきたが、このありきたりな真実がよく頭をよぎったものだ。

何事も可能なように思えてしまうほどバイオテクノロジーが発達したこの時代では、バイオテクノロ ジーが全てのように思えるかもしれない。ブドウの中からあるもの無いもの全てを引き出してしまうような培養酵母や化学肥料が、ぱっとしないブドウから「高 品質の」ワインを生み出す、と言う人もいるのだが、私は、祖父が言っていた言葉を、常に肝に銘じておかねばならない。ワインは、ブドウからつくられるの だ!



 

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