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ヴェネトで、誰よりも 神話的生産者 との讃辞にふさわしい、クインタレッリ。ルーカ・フェドゥリーゴは、この巨匠に長年ブドウを販売していた栽培農家に生まれ、 14歳から十数年間クインタレッリで働き、巨匠の身近で栽培醸造を学んだ。初ヴィンテージは 1999年。アマローネは 90日前後の乾燥の後、 45日前後も続くアルコール発酵を経るなど、栽培・醸造法は徹底して伝統的。ただし IGTルベオのみ、カベルネ・フランなどをコルヴィーナと共に乾燥させる。ちなみにクインタレッリの社史には、「同社の真の力の源は、ヴァルポリチェッラ最良の畑で入念に選別されたブドウの購入にある」と記されている。近年ラルコが造るワインの質が著しく上昇し、当主ルーカに「ジュゼッペ・クインタレッリの再来」との過褒までも寄せられ始めている。
L'Arco
ラルコ
ラルコ / ヴァルボリチェッラ・リパッソ・スーペリオーレ 
Valpolicella Ripasso Superiore
ヴァルボリチェッラ・リパッソ・スーペリオーレ 

品種:コルヴィーナ主体、ロンディネッラ、モリナーラ、クロアティーナ
植樹:1960年代~2000年代
位置:標高90~100m
土壌:粘土石灰質
ステンレスタンクで数日間マセレーション、翌年の3月頃まで熟成
アマローネのマセレーションが終わると同時に、そのヴィナッチャを1ヵ月間マセレーション(リパッソ)する
その後、大樽で24ヵ月間熟成
ヴァルポリチェッラのクラシックな赤品種のブレンド。コルヴィーナとロンディネッラは色とテクスチャー、香り。モリナーラとごく少量のクロアティーナはさらに香りを複雑にするために使われる。ロッソ同様、リパッソ前の赤ワイン自体の抽出は軽く、リパッソ時のアマローネ用のブドウの果皮からの抽出に注力する。そのため、軽やかさと上質なタンニン、骨格を併せ持った、バランスの良いリパッソが生まれる。
ラルコ / ロッソ・ディ・ヴェロネーゼ
IGT Rosso del Veronese 
ロッソ・ディ・ヴェロネーゼ 

品種:コルヴィーナ主体、ロンディネッラ、モリナーラ、サンジョヴェーゼ、テロルデゴ
植樹:1990年代~2000年代
位置:標高90~100m
土壌:粘土石灰質
ステンレスタンクで数日間マセレーション、そのまま8ヵ月間熟成
大樽とセメントタンクで18ヵ月間熟成
気軽な食中酒を、と考えルーカが所有する畑の中でも樹齢の若いブドウを、ほとんどマセレーションをかけずにプレスをするので、明るいルビー色をしている。熟成には、セメントタンクと一部大樽が用いられ、フレッシュな果実味を損なわないように気を遣っている。
サンジョヴェーゼやテロルデゴはほんの少量、遊び心程度に混醸されている。
ラルコ / ロッソ・ディ・ヴェロネーゼ・パリオ
IGT Rosso del Veronese Pario
ロッソ・ディ・ヴェロネーゼ・パリオ

品種:コルヴィーナ主体、ロンディネッラ、モリナーラ、クロアティーナ
植樹:1960年代~2000年代
位置:標高90~100m
土壌:粘土石灰質
ヴァルポリチェッラ用のブドウには短いアパッシメントをかけ、若干凝縮をさせ、ステンレスタンクで醗酵
大樽で醗酵中に、同VTのアマローネとブレンドし、合計24ヵ月間以上大樽で熟成させる
アマローネとヴァルポリチェッラのブレンド比率は1:1で、同量(=ラテン語でパリオ)である。ヴァルポリチェッラ用ブドウはフレッシュさを損なわない程度に、アパッシメントする。またアマローネともブレンドするので、凝縮感はかなりあるが、その分樽熟成も瓶熟成も長い。しかしエチケットの色通り、リリース直後はワインの色合いも明るく、味わいも同様に明るく赤い果実を感じさせる。
ラルコ / ロッソ・ディ・ヴェロネーゼ・ルーベオ
IGT Rosso del Veronese Roubeo
ロッソ・ディ・ヴェロネーゼ・ルーベオ

品種:カベルネ・フラン主体、カベルネ・ソーヴィニョン、コルヴィーナ、ロンディネッラ、モリナーラ
植樹:1960年代~2000年代
位置:標高90~100m
土壌:粘土石灰質
フランス系のブドウには短いアパッシメントをかけ、若干凝縮をさせ、ステンレスタンクで醗酵
大樽で醗酵中に、同VTのアマローネとブレンドし、合計24ヵ月以上大樽で熟成させる
伝統品種と国際品種をブレンド。ルーカの師匠であるジュゼッペ・クインタレッリもヴァルポリチェッラでのフランス系品種に可能性を感じ、ワイン造りをしていた。早熟のフランス系品種も短いアパッシメント(陰干し)をしている。イタリア系品種だけのパリオに比べ、明るさはないが、優美な骨格を備え、甘みを感じさせつつもスリムでドライな印象がある。
ラルコ / アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ・クラッシコ
Amarone della Valpolicella Classico 
アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ・クラッシコ

品種:コルヴィーナ主体、ロンディネッラ、モリナーラ
植樹:1960年代~2000年代
位置:標高90~100m
土壌:粘土石灰質
3~4ヵ月間のアパッシメント(陰干し)の後、ステンレスタンク数週間のマセレーション
大樽で30ヵ月間熟成
アパッシメントをすると、ブドウはその重量の30~40%にもおよぶ水分を失い、その結果、糖とエキス分が凝縮する。少量だが、ブドウには「貴腐菌」が発生し、アマローネに特有の官能的な香りを与える。ともするとアマローネは酸味に欠けることが多いが、果実味やタンニンなどの抽出物の濃さと、それでも飲み疲れさせない酸味を備えた稀有なアマローネ。
ラルコ / ロッソ・ディ・ヴェロネーゼ・ピエトルス
IGT Rosso del Veronese Pietrus 
ロッソ・ディ・ヴェロネーゼ・ピエトルス

品種:コルヴィーナ主体、ロンディネッラ、モリナーラ他
植樹:1960年代~2000年代
位置:標高90~100m
土壌:粘土石灰質
3~4ヵ月間のアパッシメント(陰干し)の後、ステンレスタンクで数週間のマセレーション
大樽で36ヵ月間熟成
2008年にルーカの第一子であるピエトロの誕生を記念して造り始めた。アマローネよりも更に長期のアパッシメントと樽熟成を行う。あまりに糖度が上がってしまうため、アマローネとしては認可されず、IGTとしてのリリースになる。今までに08,10,12年にのみ生産された。
ラルコ / グラッパ・ディ・ディナッチャ・ディ・アマローネ 750ml
Grappa di Vinaccia di Amarone
グラッパ・ディ・ディナッチャ・ディ・アマローネ 750ml
品種:アマローネ用葡萄の醗酵搾汁
蒸留所:Distilleria Franceschini (Verona)
・大釜にブドウの醗酵搾汁をいれ、加熱、沸騰。
・アルコール分は軽いので、沸騰させることにより蒸気となり、葡萄カスから分離され蒸留管に導かれる。蒸留器は連続式蒸留器を使用。
・分離されたアルコール蒸気は、急速冷凍により液化する。
・液体となったものを、ステンレスタンクで約1年間熟成。
・瓶詰め時は、濾過によって不純物を除去する。
ラルコ / ヴェネト パッシート・ビアンコ
IGT Veneto - Passito Bianco
ヴェネト パッシート・ビアンコ

品種:ガルガーネガ主体、トレッビアーノ・ディ・ソアーヴェ
植樹:1982年
位置:標高190m、北向き・南向き
土壌:モレーン土壌
3~4ヵ月間のアパッシメント(陰干し)の後、ステンレスタンクで3~4日間のマセレーション
500Lトノーで4年間熟成
白ブドウを原料にレチョートの醸造方法を用いて造っているため、ルーカ家族は「レチョート・ビアンコ」と呼んで親しんでいる。ルーカがまだ幼かったころ、貧しかった家族は、より高く売れる黒ブドウをよそに売って、白ブドウで自家消費用のワインを醸造していた。フレッシュなワインも造ったが、パッシートは特にクリスマスに楽しむために造っていた。ルーカが、父アルドと一緒に昔から造っていた、思い出深いワイン。
ラルコ / レチョート・デッラ・ヴァルポリチェッラ・クラッシコ
Recioto della Valpolicella Classico
レチョート・デッラ・ヴァルポリチェッラ・クラッシコ

品種:コルヴィーナ主体、ロンディネッラ、モリナーラ
植樹:1960年代~2000年代
位置:標高90~100m
土壌:粘土石灰質
コルヴィーナ、ロンディネッラ、モリナーラの特に上質な果実のみを120日間乾燥させる
黒スグリのコンフィチュールのような香味。抜栓後は時間をかけて楽しめるが、提供5時間前に抜栓するのが望ましい。
ラルコの所有する畑の中でも、特に優良な畑のものを選び時間をかけてアパッシメント(陰干し)する。4ヵ月近い、長期間のアパッシメントのできる特別な気候の年しか造ることができない。
 
 

ラルコとは

 
 

オーナー: Luca Fedorigo ルーカ・フェドリーゴ
地域:Valpolicella ヴァルポリチェッラ
地区、村:Verona,Negrar ヴェローナ ネグラル村
醸造責任者 Luca Fedorigo ルーカ・フェドリーゴ
栽培責任者:Luca Fedorigo ルーカ・フェドリーゴ
コンサルタント名:Flavio & Damiano Peroni
 
ドメーヌ創業年:1996
 

ドメーヌ解説

歴史: ワイナリーの名前は、『ユピテルの拱門』と呼ばれる石でできたアーチに由来する。ヴェローナからネグラールへ向かう道からも見え、数年前までフェドリーゴ一家はこの拱門の近くに住んでいた。『ユピテルの拱門』は、その起源を16~17世紀にまでさかのぼり、サン・ヴィート・ディ・ネグラールにある丘陵に沿ってそびえる7つの拱門のひとつである。ルーカ・フェドリーゴにとってこの拱門は、過去の記憶を呼び起こさせるものであり、その記憶こそルーカがワインの中に表現したいと願うものだ。
 1996年、両親からブドウ畑と桃園を14(中学3年生)で引継ぎ、フルタイムで働き始めた。その後ルーカは、ヴァルポリチェッラの高名なワイナリー(クインタレッリGiuseppe Quintarelli)で何年も働いており、そこで大きな経験を得、1998年に初のアマローネを造りだした。 2000年に自身のセラーを両親のブドウ畑のすぐ隣に設立し、2001年本格的に生産開始。ワイナリーはまだ設立から数年ではあるが、過去を尊重した積極的かつ礎のしっかりとしたワイナリーである。ヴァルポリチェッラのワインが受け継いできた伝統をそのままに継承しながら、ヴァルポリチェッラらしいワインを生み出すことに細心の注意を払っている。
 ルーカ・フェドリーゴは、ブラジル、アルゼンチンおよびトスカーナでワインをつくるルイーズ・アルベルト・バリケッロとの信頼関係を築き上げ、設立当初からワイナリーをともに運営するにいたった。ふたりは2001年に、2種類の重要なIGTワインを生み出した。それが、ヨーロッパ圏内だけでなく北米や南米でも非常に評価の高い、《ルベオ》と《パリオ》である。この2つのワインには、「アマローネのブドウ」と呼ばれるロンディネッラ、コルヴィーナ、モリナーラとは異なった品種も用い、個性的な品種構成をとる。(HP訳)
造り手略歴:
哲学:その土地が必要としていることを尊重し、石灰、銅、硫黄、牛や馬の堆肥、など、天然物のみを使用している。
ブドウの木が危険にさらされる可能性が例外的なケースでは、特定の製品を使用することを躊躇しないだろう。
 

【畑について】

栽培方法: 特別な名前は無い
(その土地が必要としていることを尊重し、石灰、銅、硫黄、牛や馬の堆肥、など、天然物のみを使用している。)
その栽培方法の開始時期: 常に
その栽培方法を適用している畑名:
栽培方法の将来的な展望:現状の栽培方法
 
認証機関:なし
土壌:現時点では、この質問については答えることは容易ではない。ヴァルポリチェッラは、生産とワイン造りの技術が異なっている特定の領域である。私の所有地はヴァルポリチェッラの三つの異なるエリアにあり、私の造るワインは特別にブレンドされたものなので、さまざまな分野の土壌のブドウが生じ得る。
微気候:地中海性気候。湿度は低く、太陽の方向に向いている。レッシーニ山が北側を守り、近くにあるガルダ湖は夏と冬の間に熱交換器として機能している。
自社ブドウ畑面積:6.5ha
1) 畑名:サンタ・マリア(サンタ・マリア・ディ・ネグラール地区)
    品種:コルヴィーナ、ロンディネッラ、モリナーラ
    標高:100m s.l.m
      仕立:ペルゴラ・ヴェロネーゼ
    面積:3ha
    剪定:伝統的なペルゴラ
     植樹密度:2600本/ha
    仕立ての支柱の素材:コンクリ
     植樹:1964年~1996
    堆肥:レッシーニ山の牛と馬の堆肥を購入
    土壌:堆石 
    向き:北東、南西
    収穫量:8500 kg/ha

 
2) 畑名:クアラ(サン・ピエトロ・イン・カリアーノ地区)
    品種:コルヴィーナ、ロンディネッラ、モリナーラ
    標高:90m s.l.m
      仕立:グイヨ
    面積:1.2ha
    剪定:グイヨ
     植樹密度:3400本/ha
    仕立ての支柱の素材:木、金属
     植樹:2008
    堆肥:レッシーニ山の牛と馬の堆肥を購入
    土壌:堆石 
    向き:北東、南西
    収穫量:8500 kg/ha
 
3) 畑名:パローナ(キエーヴォ地区郊外)
    品種:カベルネ・フラン、サンジョヴェーゼ・グロッソ、コルヴィーナ、ロンディネッラ
    標高:90m s.l.m
      仕立:グイヨ
    面積:2.3ha
    剪定:グイヨ
     植樹密度:3400本/ha
    仕立ての支柱の素材:木、金属
     植樹:2004
    堆肥:レッシーニ山の牛と馬の堆肥を購入
    土壌:沖積土 
    向き:東西
    収穫量:8000 kg/ha
 
  

【醸造について】

酵母のタイプ: 野生酵母 (雨天時はSaccharomyces Cerevisiaという酵母を使用) アマローネ(乾燥させるブドウは野生酵母のみ)
圧搾方式:空気圧式プレス
醗酵容器の素材と容量:ステンレス(8000L
熟成容器の素材:スロヴァニアオークとフレンチオーク、 5000-2000-1000-500-225リットル
セラー環境: セラーはサンタ・マリア・ディ・ネグラールにあり、ブドウのアパッシメントは2階、ワインは地上階、熟成と倉庫は地下。 セラーまでの距離:サンタ・マリア0km、 クアラ3km、 パローナ6km
年間生産ボトル本数: 3500040000本/年
 
基本前提
Valpolicella: 一般的に、コルヴィーナ、ロンディネッラ、モリナーラの3種類のブドウから造られる
Valpolicella Superiore: 少なくとも1年間熟成、アルコール度数12%以上
Valpolicella Ripasso: ヴァルポリチェッラとアマローネのマールの二次発酵
Amarone: 収穫後に乾燥させたブドウで造ったワイン
Amarone della Valpolicellaのルール:コルヴィーナ・ヴェロネーゼ(Cruina or Corvina) 45% 95% と、ロンディネッラ 5%30%.
Ripasso: アマローネのマール(搾り滓)の上で2次発酵させること(23週間の追加)
 
≪L’arco Cuvee≫
Rosso del Veronese IGT: 収穫後すぐに圧搾
Valpolicella Ripasso Classico Superiore: ヴァルポリチェッラとアマローネのマールの二次発酵
Amarone Classico della Valpolicella: 収穫後に乾燥させたブドウで造ったワイン
Rubeo: アマローネとカベルネ・フラン(乾燥させたもの)のブレンド
Pario: アマローネとヴァルポリチェッラ・リパッソを各50%ブレンドしたもの
Pietrus: アマローネとして造ったが残糖値の上限を超えてしまったもの


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