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ワイン豆知識

ワインを楽しむために大切なこと


ワインは落ち着くほどに美味しくなる


先週1ヶ月半ぶりに四谷三丁目のカリーニョに。ご夫婦は1ヶ月半スペインに行っていたので本当に久しぶり。
そして最初に飲んだこのソアーヴェが劇的に美味しかった。雨が降っていて気圧が低いのにこの美味しさ!そういえばこのワインは1ヶ月半全く動かさずにセラーに寝かされていたことに気がつき、あ〜落ち着くとここまで違うんだと改めて実感した。
飲食店はどうしてもセラーの開け閉めが多く、選ぶ際にも若干動かされる。セラー自体は温度変化が少なく、いつもかなり美味しいワインとして提供されているが、それを上回った美味しさに驚かされたのだ。
飲食店では振動の多い業務冷蔵庫で白を冷やしたりすることも多い。そんなところでは絶対にこの美味しさは出ることはない。
同じワインでもここまで印象が違うということを考えれば、何倍もするワインよりも美味しく感じることができる。
皆さんも是非ワインの価格に関係なく実践して欲しい。銘柄だけで選んで本来の美味しさを得られないのなら意味がない。

暑い時期にワインを楽しむには?


蒸し蒸しする暑い夏。こんな時期にワインを楽しむにはどうしたら良いのでしょうか?
軽やかなワインをキリッと冷やして、それもありです。でもこの時期濃いワインがよくないわけではありません。リースリングをソーダで割って飲むなんて方も私の知り合いにいます。
 
さてワインホリックの現代的なワイン、状態よく酸が生き生きしています。以前から述べているように、白などは温度が6〜7度の方が美味しく飲めます。まずこういったワインホリックの現代的なワインんを選ぶことが大切です。
 
赤ワインも夏はちょっと軽やか系を冷やした方が美味しいですね。8〜10度くらいでいいと思います。古典的なスタイルのワインは、温度が低めだとタニックに感じたりするので要注意。抽出の強いワインも同じです。ボジョレー地区のヴェニュルスなどは抽出が強いので温度高めが正解。イタリアの古典系のワインも同じです。温度が低いと全く姿が違ってしまい、決して美味しいというレベルではありません。
 
部屋を冷房でキリッと冷やしてという方はどんなワインでも大丈夫です。
 
スパークリングやシャンパンはどんな時期でも美味しいものです。
 
ワインは体感温度で印象が大きく変わります。気圧が低い時は温度は高めがいいですし、高気圧の時は温度低め。
 
色々と試してみてください。

作り手の環境を知る


ワインは作り手の技量だけではなくブドウ栽培、蔵の環境が大きく関わってきます。
ブルゴーニュなどは地下に石灰岩をくりぬいたような蔵を所有するところが多く、どれだけ深いかやにじみ出てくる地下水の温度によってその蔵の温度が決まります。自然に一定の温度と湿度が保たれている環境です。ですから蔵によって温度にはかなり差があり、蔵によっては10度を下回るところもありますし、若干高めのところもあるのです。年間によっても温度差は生じ、特に温暖化の影響で夏場などは温度が通常より上昇する場合があり、最近ではエアコンを完備している蔵も増えています。年間の温度差は大きいのですが、一日の温度変化はほとんどありません。ラングドックなどの南に行くと陸上の倉庫が多くそこではエアコンで温度管理をしているところも多いのが現状です。
温暖化の影響がなかった昔は湿度が低いために比較的室内の温度は一定でしたが、最近では石造りの家も多いために逆に温度が上昇しがちです。
古い蔵の場合は蔵付きの酵母やカビなどもワインに大きな影響を与えます。ですから同じ作り手が蔵を移転すると全く違うワインができてしまうということもあります。一番わかりやすいのはダヴィット・クロワです。カミーユ・ジルーとクロワのドメーヌものがあれだけ違うのはやはり蔵の影響が大きいと考えます。、またルロワにおいてもオスピス・ド・ボーヌで落札された樽をルロワの蔵で寝かせただけでルロワのニュアンスがつくことから見ても蔵の影響は大きいのです。ブルゴーニュのワインがあれだけ深みが出るのもテロワールだけの問題ではなく古い蔵に宿る酵母やカビの影響が大きいのでしょう。
逆に南アフリカのアルヘイト・ヴィンヤードのオーナーが語るところによると南アフリカの大学の研究で蔵付きの酵母の影響はほぼないとの研究結果も出ているそうです。多分これは比較的新しい蔵が多く蔵も陸上にあるところが多く、蔵に付いている菌の影響が少ないことが原因でしょう。
最近は白ワインの質が劇的に上がったところが多いのですが、これも醸造中に温度管理ができるようになったことが大きく、コシュ・デュリの自然の環境が理想的だといわれており、それを模して作られたのでしょう。
 
イタリアなどに行くと地上の蔵も多いので夏場は20度を超すところもあるようです。
 
しかしそういったことすべて含めてその作り手のワインだということを覚えておいてください。
それこそがそのワインの生い立ちというものなのです。
 
栽培されるブドウは当然栽培地の気候に左右され、土壌の構成によって様々な特徴が出てきます。長年の経験でこの土壌にはどういったブドウが合っているのかが繰り返し試されて適したブドウが決まってきます。ブルゴーニュでもムルソーなどはほとんどが白なのですが、ごく一部赤ワインが作られています。1m離れただけで土壌の構成が違ってくるといわれているブルゴーニュならではの現象です。
昔から土地のワインに土地の食材が一番合うとされるのは長年の歴史の中で幾度となく試行錯誤が繰り返されできあがってきた結果なのです。ワインだけでなく野菜、肉、チーズなどの加工食品も同じようなことがいえます。
 
現在世代交代によりワインの世界も大きく変わりつつあります。世代による味覚の違い、今まで先代からの経験則を受け継ぎ作られてきたワインの中に新しい醸造学や栽培法が入ってきてワインもかなり変わりつつあります。しかし先代から続いてきた経験値を捨ててしまうのもどうなのでしょう。かみ砕かれていない知識が経験値に勝るとは言い切れませんし、常に正しいことは変化してくので疑問に思うこともたくさんありますが、特に代を受け継いだ人たちが先代と全く違うようなワインを作っている場合とても成功していると思える人は少なく感じています。
逆に今まであまりぱっとしなかった作り手の場合は劇的に良くなっているところもあります。
 
ですから世代交代が多く起こっている近年、作り手の善し悪しも実は大きく変わりつつあるのです。実際に私が昔愛していた作り手も残念ながら世代交代で見るも無惨な姿になった作り手もいるのです。
 
作り手はその環境を肌身で感じワインは作り上げられていきます。どの国でも通用するような作り方では実は美味しいワインはできないのでしょう。そういった環境も含めて継いでいくことこそが世代交代には必要なことだと思います。
 
もし日本で違った環境で作られたワインを保管することを考えると実はかなり難しいのです。ですからイタリアワインの多くは温度が低すぎると閉じる傾向がありますし、温度の低いところで作られている一部の白ワインは温度が高すぎると緩みすぎる傾向があります。
 
よって同じセラーでも下の方は温度が低く、上の方は温度が高いので、そこをうまく利用してワインの保管を考えることも必要でしょう。大きな倉庫ではなおさらそういったことが必要だと思います。
 
ワインを輸入する際に、そういったことを含めて一緒に輸入する生産者を分けているインポーターもいます。
 
ワインをあまりにも簡単に扱うと、蔵から出てからの育ちが悪いワインになってしまいます。特に現代のワインは酸化に弱く神経質なのです。なかなか難しいとは思いますが、こういったことも考慮入れワインを管理することも大事なのです。

瓶差とはどのように起こるのか?


皆さん、一度飲んだことのあるワインが何故かまた飲んでみると印象が違うという経験をしたことはありませんか?
どうして全く同じ銘柄で同じヴィンテージなのに差が出てしまうのでしょうか。
まず第一に根本的な部分を検証してみましょう。
ワインは瓶詰されコルクによって栓がされます。最近は瓶詰する際は樽ごとではなく一度まとめられてから瓶詰されるので中身自体の違いというのはそれほど大きくありません。ただ最初に瓶詰されたワインを最後に瓶詰されたワインでは若干差があることは確かです。どうしても比重の差で差が出てしまいます。
ワインは瓶に詰められたらコルクで栓をされます。コルクの質、圧縮度には誤差がありこれによって熟成の過程でワインに差が出てきます。コルクの質が悪いものは酸化が進んだり、コルクに付随するなにがしかの要素がワインに影響を与えますし、圧縮度の高いコルクは熟成が遅くなる傾向があります。最悪の場合はブショネだったりもします。
 
何故昔からワインホリックがインポーターを重視しているかと言えば、日本にワインを運んでくる課程であまりにもワインが変質している現状があるからです。同じワインでも輸入するインポーターによって大きな差がでてきてしまいます。ですから同じワインでも輸入元によって驚くほどの差があるのです。
 
そしてワインショップによってもかなりの差が出てきます。ワインショップでの管理が非常に問題なのです。
 
また同じワインでも運ばれてきてすぐ飲んだ場合と、1ヶ月落ち着かせてから飲むのとでは大きな違いが出てきます。
 
そして皆さんが飲まれる環境の違い。お店でそのお店のワインを飲んだのか、それとも自宅で飲んだのかの違いも大きいのです。お店で飲んだワインが美味しかったからワインショップで買って飲んでみたら今ひとつだった、、。そんな経験をお持ちではないでしょうか。その逆もあると思います。
これは同じワインでも扱いによって大きな差が出ることと、グラスの違い、飲む場所の違いなどです。電磁波の多い環境ではワインの味は変わってしまいますし、気圧が低いときは酸が立ちやすかったり、ワイングラスがワインにとって的確でなかったり、、。最近はワインセラーの違いもありますし、冷蔵庫で保管されているような店舗もあるので振動によって本来の味わいが変化してしまっています。
 
同じワインでもこういった理由で大きく印象が違ったりするのです。きっと心当たりがある方は多いと思います。
 
ワインにとって大事なことはそのワインが何故そのような味わいに感じるのかを理解することです。原因さえわかれば更に美味しいワインに近づくことが出来ます。

私がどのようにワインを検証しているか?


ワインを飲む際は必ずそのワインに合いそうな料理を作って飲んでいます。
状態の良いワインは、酸が健全なのでマリアージュに関してはある程度気にならない場合が多いのですが、どのように料理とマッチングするのかを検証しています。
白の場合、冷蔵庫の野菜室に入れて冷やし、飲み残したワインも野菜室に入れます。最近の冷蔵庫はほぼ振動もなく、冷蔵庫の野菜室の温度はまさに最適な温度だからです。
最近うちで扱っているワインは、4〜5日経っても劣化の兆候すら見せないワインばかりですので、飲んでいるワインがどのような変化を見せるか見るのには最適です。最近気になるのは、意外とどのワインも若い場合は、開けたては本来の姿を見せないことです。飲めるのですが、開けたては意外と特徴が薄い場合が多い。飲み残したワインはそのまま朝までテーブルの上。朝になったら冷蔵庫の入れます。そんな雑に扱っても状態の良いワインは劣化しません。流石に夏場はそんなことはしませんが。
2〜3日経ってくるとワインは大きな変化を見せます。本来持っている要素が出てきます。瓶熟させた時とは違いますが、大まかな変化は予測できます。こんな飲み方ができるようになってきたんだなと、ここ10〜20年の輸入の進化に感激。
皆さんも若いなとか、イマイチと思ったら、ぜひすぐコルクをして2〜3日セラーに置いてみてください。昔と違い、2日目にはよれたりシェリー校が出てくることはありません。

ワインの飲み頃と美味しさの関係


ワインがいつ最も美味しくなるのか?
これはワイン好きにとって永遠の課題でしょう。現実的にはワインを購入してから何年も保存してから飲むような余裕のある人はいないでしょうから、バック・ヴィンテージを購入するしかないのが現実。世界中でワインが飲まれるようになったことで最近では長熟型のワインよりも早熟ワインの方が人気があるのは当然ともいえる現象です。
かなり難しい問題ではありますが、とりあえず現実だけでも把握することが大切です。
 
ワインは大きく分けて、若い時期の飲み頃と熟成させてからの飲み頃があります。特にブルゴーニュなどの場合は早い時期から美味しいけど熟成も効くようなヴィンテージもあり、それぞれのヴィンテージの特徴を知っておく必要があります。
最近のワインは早熟系のものが多く、例外はあるのもも安いクラスのワインの方が早くから飲める傾向があり、上のクラスになるほどに美味しく飲める状態までは待つ必要があります。
ですからあまりにも早い時期に高額なワインを開けてしまうのはもったいなのです。たとえば最近の高額ワインは若くても何とか飲めてしまうように作られているワインが多いのですが、実は本来の魅力の一部しか感じることが出来ません。寝かせるほどにその真価が現れてくると思っておくのが正しいでしょう。間違っても若すぎるワインをデキャンターして開かせるようなことはしない方が賢明です。所詮飲みやすくなるだけで、熟成させたようなワインになることはありません。
 
ワインは熟成させることは出来ても、その後それほど大きな変化を期待できない場合もあります。これは生産者の個性とワインの作り方の問題ですので、生産者ごとのワインの特性を把握しておく必要があります。特に最近の生産者は早熟系のワインを作る傾向があるために熟成したからといって魅力的な姿になるかと言えば疑問符がつく作り手も多いのです。
ところがクロ・ド・ティエ・ブッフなどは本人は「私たちのワインは作られてからすぐ楽しむワイン」と言っていますが、実は寝かせると化けるのです。
 
ワインは寝かせている温度によっても熟成具合が変わってきます。温度が低いほどに熟成が遅く高すぎると熱劣化に近いような魅力を失いながら熟成していきます。これは元々そのワインがそのような環境で作られたか、つまり生産者のセラーの温度とも関係がありますので何度が良いとは言い切れませんが、折衷案が14〜15度と言われています。
 
シャトー・ラツールのセカンドワインであるレ・フォール・ド・ラツールは以前はある程度熟成させてから出荷されていました。現在はこのようなことをやめていますが、昔はこのような生産者も多かったのです。しかし最近ではワインの販売量も増え、良いワインを作れば売れるという現実からこのようなことをする生産者は減っています。
 
さて当然ワイン自体のコンディションが大きく飲み頃と関わってくることは言うまでもありません。
ではコンディションの良いワインを前提としてここで飲み頃を見極めるこつをまとめましょう。
 
●価格が安い、もしくは同じ作り手のワインでも下のクラスのワインの方が早くから楽しめる可能性が高い。
●リーズナブル系のワインの方が開くのが早いため、もし飲んだワインが若くても一ヶ月から三ヶ月待てば開いている可能性が高い。
●ワインは落ち着かせるほどに分子が安定し美味しさが出てくるので多少若くても美味しさの次元が違う。
●作り手の特徴を把握する。これは経験則が必要です。
●ヴィンテージの特徴を把握することで飲み頃を計る。酸が弱い年ほど早熟の可能性が高いと思って良いでしょう。ただ生産者によっては酸を添加する場合もあります。
●ワイン仲間からの情報を収集する。どれだけまともなワイン仲間を持てるかが鍵になります。
●もうワインを開けてしまい若すぎたらそのままコルクを差し込み1〜2日後に飲んでみる。
●ある程度寝かせられる環境と忍耐力を持っている人が長熟ワインを買うべし。
●高額ワインのバック・ヴィンテージを購入する場合は、その生産者の特徴とヴィンテージを見極めて買うこと。
●早熟系の生産者はたとえばブルゴーニュの生産者の場合、ブルゴーニュ・ルージュクラスは、リリース直後から1年くらい経ってから、村名ワインは1〜2年経ってから、1級畑は3〜4年後を目安にして下さい。年によって作り手によって多少前後します。
●バック・ヴィンテージ蔵出しを購入する場合、リコルクしてあるかリコルクしていないのかが問題になってきます。リコルクしてからの時間がどの程度経っているかでワインの美味しさが違うのです。ワインはコルクの寿命が近くなるとコルクを打ち直します。この際に減った分を同じワインではなく新しいワインを入れることがほとんどです。ですからリコルクしたばかりだと味わいが落ち着かずに何年も更なる飲み頃を待つ必要があります。また出荷の際にオリをとるためにリコルクすることもあります。

 
美味しいワインを飲むためにはどうしたらいいのだろう?

私は問いたい。あなたは美味しいワインを見つけて飲みたいのか、それともワインの知識をひけらかしたいのか。
 
もし美味しいワインを見つけて飲みたいと思っているのなら、余計な勉強はしないに限る。私が知っている限り、変に学校などで勉強した人ほど美味しいワインを知らない。買い方すらわからない。
 
実はワイン業界はワインを売るために存在していて、美味しいワインを飲むことにはあまり興味がないのだ。とにかく色々な邪魔になる問題が起こると嘘をついてウヤモヤにする。
 
先日友人から聞いたのだが、酸化防止剤についてヨーロッパで有名なソムリエは干し葡萄などは酸化防止剤をたくさん使っているからワインに使っても大丈夫だと言っているそう。頭痛くならないでしょ!これも雲に巻く一つの例である。
 
しかしワインの場合は酸化防止剤が多いと頭が痛くなる現実がある。多分アルコールが介在すると酸化防止剤は悪さをするようである。ワインは酸化防止剤の量にもよるが、明らかにワインの味が変わってしまうのだ。でもブドウの質によって入れないと極端に酸化が進む場合も多い。まして輸出する場合は明らかにおかしくなる。それだけまともな輸入をするインポーターが少ないことは現実としてあるのである。
 
さてではどうやったら美味しいワインに出会えるようになるのだろう。
 
その答えはとにかくワインを飲むことなのです。でも闇雲に飲むのではなく、まず色々飲んで自分が凄くいいなというワインを探してください。
そのワインの国地域を調べ、まずはそこに集中してワインを飲みます。そうすると色々なことがわかってきます。
 
作り手によってワインってこんなに違うんだな、。
輸入する業者によってワインの状態が違うんだな、。
同じブドウ品種でもこんなに違うんだ、。
 
もし気に入った作り手がわかったら集中的にその作り手のワインを飲んでみます。
この過程でわからないことがあったらネットで調べてみる。そう知識は後付けの方が頭に入ってくる。それはワインを飲んだ経験があるからです。味覚や収穫の世界はとても感覚的なものです。感覚を鈍らすような先入観は邪魔にしかならないのです。
 
旦那が、凄く高いワインを買ってきてこれ美味いだろう!と言っても奥さんは美味しいとは言わない。旦那さんは、高いから美味しくて当たり前という先入観があるのです。ところが女性は意外と正直。
 
人間は飽きやすいから、同じ作り手ばかり飲んでいると飽きてくる。だから同じ地域の違う作り手を探してみる。まあ当然失敗もありますよ!でも失敗の繰り返しこそ、先に進むために必要なのです。
 
ワインの世界は魔物の住む世界。インチキや嘘がたくさん。だから自分で判断する経験が必要なのです。
 
これを繰り返していくと、だんだん幅が広がってきますし、本質を理解できるようになってきます。
 
ワインの世界はあまり人を頼っても碌なことにならないのです。
 
どうしてもわからないことがあったら、お問い合わせで聞いてください。

 
ワインを保管する温度

  • ブルゴーニュに行くと多くの生産者は地下セラーをもっており、石灰岩を掘り進んだようなセラーは地下水によって温度が低く保たれています。作り手によっては10度を下回るところもあり、シャンパーニュと同様かなり低い温度でワインが保存されています。しかし最近の温暖化で温度が高くなるところも出てきているために多くの生産者はエアコンを導入しています。

    イタリアなどでは陸上にセラーがある場合が多く、夏場などは20度を超える所もあります。

    先日来日したアルヘイトに聞いたのですが、彼らのセラーは電気的に15度に保たれ陸上にあるそうです。アルヘイトもいっていましたが、そういった環境全てひっくるめて私たちのワインであるといっていました。

    要するにワインは出荷されるまでの環境がある意味生産者のワインの一つの個性となるわけです。

     

    温度帯が高い環境で育ったワインは、低すぎる環境に置くとワインが閉じる傾向があり、低い温度帯で育ったワインを高い温度帯で管理すると緩んでしまうことが知られています。

     

    さてフランスの飲食店に行くと最近はセラーに入れられていることが多いのですが、昔は店内のそのまま置かれていました。フランスでは湿度が低く、店内はエアコンをかけなくてもある程度一定の温度に保たれていたために影響を受けないわけではありませんが日本とは雲泥の差があります。日本でも店内にそのままワインが置かれているところが未だにありますが、こういった状況を見て同じようにしているだけです。考えが浅いですね!

     

    フランスでも2003年を境にエアコン導入が進み、温暖化によって今までと同じようにいかないようになっています。

     

    最も酷い状況なのがフランスのワインショップです。ボーヌなどに行ってもワインはそのまま店内に置かれ20度を軽く超えている状況でもショップのドアは開けっ放しです。何度かそういったショップでワインを購入しましたが、状態は酷いなんてもんじゃありません。ゆるゆる、、。

     

    日本の倉庫では関西と東京では環境が大きく違います。東京の多くの倉庫は最近では14〜15度管理が主流。ところが関西の倉庫は18度が主流なのです。関西の業者に18度では高すぎるので15度まで下げたらどうかと言ったのですが、見積もりを出させると保管料が倍以上になったそうです。年間にわたる温度帯が18度だとワインは明らかに酸がやられてきます。

     

    倉庫でもワインが置かれる場所によっては温度変化が多いことが分かっています。優秀なインポーターほど事前調査をして温度変化の少ない場所を選んでいます。

     

    さて生産者によっても大きく環境の違うワインをいったいどの温度帯で保存するのが良いのでしょうか。現在では理想的な温度帯は15度と言われています。

     

    本来は生産者の環境に近い温度帯で保存することが最も理想的ですが、コスト面を考えるとそこまでは出来ないのが現実。そこで15度という折衷案が出てきたわけです。ただ最近の自然派ワイン、特に酸化防止剤がほとんど入っていなかったり無添加のワインの場合、もっと低い温度で保管しなければ酸化が進みやすいことも知られています。

     

    ワインが育った環境がその生産者の個性を決める要因にもなりますが、その後の管理もワインの育ちといっても良いほどにワインの表情を大きく変えます。昔並行輸入物のヨーロッパのワイン商から購入した物を多く味わいましたが、ワイン商によってかなり差があり、蔵出しの物とのさも大きかったことを憶えています。

     

    ワインはどのように保存するかでワインの表情に大きな影響を与えることを憶えておいて下さい。

 
気圧とワインの関係

  • 昔からなぜか天気が悪い時は、ワインを開けても美味しくないなと思うことが多かったのです。その時から気圧が低いとワインが調子悪くなると思っていました。気圧が低いということは湿度も高いということ。
  • そして最近気がついたのは、湿度が高い時は少し温度を上げたほうが美味しいと感じること。まさに体感の世界ですが、ワインは季節による体感の影響による違いが見事に出ます。暑い時ほど、温度をちょっと低めにしたほうが美味しく感じます。
  • 季節と気圧の違いでワインを飲む時の温度を変えてみましょう。
 
温度変化がワインを駄目にする

私がこのことに気がついたのは、昔仕入れていたワインショップのおかげです。そこのワインショップは直輸入したワインがメインで、倉庫と店舗に分かれています。通常送ってもらうワインは倉庫から出荷されており昔にしてはかなり良い状況でした。ところがある日直接ショップに行き店舗に置かれているワインを購入したのです。そのワインの酷かったこと。ショップではワインはそのまま棚に置かれており、ショップ自体は冷房がかかっていてある程度温度が低いのですが、それでも倉庫に置かれているワインとは雲泥の差。倉庫にワインは箱に収められたままに置かれていました。そこには地中深い倉庫があり、そこはほとんど人が入らないような環境でワインはそのまま置かれておりそこのワインには問題がありませんした。
 
さてここから学ぶべきことは沢山あります。
 
まず倉庫のワインは箱にそのまま入れられていることで倉庫内の温度変化から箱に入れていることで守られていること。このことにより倉庫内の微妙な温度変化から更に守られていると言うこと。
 
店舗の場合、人の出入りなどにより倉庫内の温度変化より幅が大きくなり、かつそのまま置かれているために温度変化の影響を受けやすい。
 
地中深い倉庫の場合、人の出入りがほとんどなく、地中深く掘ってあるためにごくごく自然の状況で温度変化が極めて少ない。フランスなどの生産者の倉庫と同じような環境です。
 
つまりワインは温度変化に弱いのです。経験上ワインは一日に1〜2度の変化が限度でそれ以上変化の幅が多いとワインの酸が劣化していきます。年間の温度差はそれほど問題がなくよほど高くなったり低すぎたりしない限り大きな問題にはなりません。それは生産者のセラーと大差ない環境です。
 
ワインは酸がダメージを受けると味わいがぼやけて輪郭が明確でなくなり多くの要素が失われます。ワインは二度と復活することはありません。
 
家庭などで使われているワインセラーでも安価なセラーの場合温度変化が多く入れておくほどにワインが駄目になっていくようなセラーもあるので要注意です。出来るだけ知名度の高い最新のセラーの方が安心。現段階ではフォルスターのデュアルが最もお薦めです。
 
ワインセラー内の温度変化の少なくするためには出来るだけ空間を少なくすることが必要です。出来るだけワインを詰め込んだ方が良いのです。ワイン自体が冷え相互に冷やす効果があり、空間が多いほどに空気の温度変化がワインに温度変化をもたらします。
 
大きな部屋をそのままセラーにしている場合、空間が多く温度変化しやすいのでセラー内でも箱などに入れておくとワインは温度変化を受けにくくなります。
 
飲食店に行ったときにどのようにワインが管理されているかをみるだけでそこのワインの美味しさが分かるのです。

 
自然派のワインが変わり始めている

自然派のワインは、ただ自然派で作ったようなワインから作っている最中から酸化しているようなワイン、何となく自然派で作りました的なワインが多かった。
ルロワが自然派のワインも手入れが必要と言っているように、現在ルロワが作るワインはレベルの違う自然派ワインだ。
ルロワとはかけ離れたような自然派ワインが多い中、ようやく見どころのあるワインが出始めた。
その要因の一つは瓶詰めまでの時間を延ばすこと。樽やステンレスタンクでその成長を見守り必要ならば何かを施し、満足できるような時点で瓶詰めをすること。このように作られたワインは目を見張るように違うのである。
当然ブドウの違いや醸造所の衛生環境などの問題はあるが、今自然派ワインは新たな変化の時期と言えるのかもしれない。

ワインが美味しくない理由とは
 
コルクの問題点

ワインを守っているコルク。栓をするのに最も最適なコルクはワインを理想的な状況で熟成させるのに最も優れているといわれています。外部からの悪影響(電磁波など)からも守ってくれる自然素材としてその価値は計り知れない存在。
 
ところが最近ではコルク製品の乱造がたたり、樹齢の高い樹が少なくなってきたことから良質なコルクが少なくなり価格も高騰しています。一流の生産者が使うコルクは最も安いワイン1本の価格よりも高くなっており一部の生産者しか使えないような高級品になっています。
コルク屑を圧縮して作られるコルクや人工コルク、スクリューキャップなども現れコルクの代用品が安い価格のワインに使われるようになっているのです。
昔はコルクも長くワインがコルクにしみることで空気の混入を防いでいましたが、最近ではコルクにワインが染みている物をあまり見かけなくなっています。
 
さてコルクは理想的な存在でありながらも大きな問題点を抱えています。
ブショネという問題です。TCAといわれておりワインの香りや味わいに新建材のような香りと味わいワイをつけてしまう問題です。コルク会社もだまって何もしていないわけではないのですが、なかなか対処方法が見つからず困窮しているのが現実でその対応策として新しく出てきたのがスクリューキャップや人工コルクなのです。最近画期的な方法が見つかりブショネのコルクを選別できる方法が見つかったそうですが、山本氏が言及していますので山本氏のブログをご覧下さい。
徐々にブショネの問題は解決に向かいつつありますが、まだ当分時間がかかるでしょう。
 
生産者たちもブショネの影響のあるコルクを使ったことでその年の全てのワインを駄目にしてしまったこともあり、最近では数社のコルクを使い分けています。
ポリエチレンがTCAの影響を排除できるという情報もありますが、サランラップなどをワインに浸し置いておくとかなり影響を排除できるそうです。
実際ブショネで返品されたワインがたまたまコルクが刺さらずにラップで栓をして戻ってきたワインがあったのですが、ブショネの影響が全くないように感じました。このことに関してはブショネのワインが出たときに再度検証したいと思います。
ブショネは誰でも分かりそうな強烈な影響をワインに与えますが、実際誰もがわかるかと言えばそうでもないのです。ブショネを樽の風味と勘違いしてしまう人も多く、実際テイスティング会でブショネのワインがあった際もそのワインをブショネと指摘したりすぐ捨ててしまう人がなんと少ないことか。それだけブショネを分かる人が少ないことを示しています。インポーターも試飲会の際に誰が分かっているかを見ているのです。
 
ブショネだからといって返品対象にするかどうかについてはいろいろな問題が絡んでいます。
まずインポーターと生産者との契約でブショネに関しての返品規定があるかどうかです。まずこのような契約を結んでいるインポーターは少なく、結ぶにしても直接生産者と契約している商品に限るのです。平行物などはまず対象になりません。また前記のようにブショネをはっきりと認識できる人が少なく、ブショネと偽り美味しくないワインを返品するようなことも起こっているので基本的にインポーターはブショネ返品を受け取ることは原則無いのです。もしあっても高いハードルが待ち受けています。
 
コルク業者も保険に入っているようですが、あくまでも生産者に対してのものです。
 
ではいったい誰がブショネの責任をとるのか。現実的には最終的なワインを購入した人とることになっているのが現実です。もし生産者がこの責任をとるとワインの価格が跳ね上がってしまうのは間違いありません。ブショネの問題に関しては当分その解決を待つしかないのが現実なのです。
 
現在リーズナブル系のワインに関してはリスク回避のために非コルク化が進んでいます。皆さんがワインを飲む際にも栓をしている物が何なのか是非確認してみて下さい。

ワインが美味しくない理由とは
 
ワインが美味しくない理由とは

世界中で楽しまれているワイン、実は生産者の蔵にあるワインとは違うのです。
ワインは生産者の蔵から出荷されると、トラックによって目的地に運ばれます。遠方だと空輸や船による輸送で目的地まで運ばれ倉庫で保管され、そこからまた酒屋さんや飲食店に運ばれます。そしてお客様に飲まれたり、酒屋さんで皆さんがワインを購入するのです。
その過程で実はワインは大きく変質しているのです。蔵でせっかくちゃんと保存されているワインでも皆さんが購入するまでの過程での問題によって変質するのです。
そしてこのことは世界の常識であり非常識であるのです。
とあるインポーターのワインは輸送されたばかりだとまあまあなのですが、店舗で販売することで劣化が著しくなっています。
 
なぜこのようなことが行われてきたのかには理由があります。
まず今から30年〜40年以上前は、ワインを完全に管理して輸送する手段を確保することが出来ませんでした。
その当時のワインは今のように醸造技術も確立されておらず、生産者ごとの伝統的な製法でワインが作られていました。有名生産者でもワインを売り切ることが出来ずに、売れ残ったワインを蔵で熟成させていたのです。このような歴史的背景もあり、ワインは長熟でリリース直後から飲めるようなワインが非常に少なかったのです。
昔はワインは船で世界一周すると美味しくなるとまで言われていたほどで、残念ながら今でもそう思っている人もいるくらいです。
ですから輸送過程で多少の問題があっても変質することで飲めるようになるという現実もあり、それがワインの世界の常識となっていたという現実があります。
 
さて1980年代後半頃から徐々にワインの販売も好調になり各国でワインが飲まれるようになってからワインの消費量は上がっていきます。醸造学の進歩、栽培法の確立もあり、先代からの教えだけでなく次世代の若者たちは醸造学校で最新の知識を習得し始めます。
販売が好調なこと、1960年代から始まった農業の効率化で使われるようになった化学肥料や農薬の悪影響が指摘され初め、この頃から自然派への移行、早熟系のワインが評価されるようになり、ワインの世界は大きく変わり始めます。高品質のワインを作れば高く売れる傾向もあり、ワインは質感を追求するようになります。
酸化防止剤の添加量も減少しはじめ、早熟になったことでワインは以前よりも熱劣化により大きく変質するようになります。温暖化の影響も輪をかけ変質しすぎたワインが目につくようになったのです。
今から30年ほど前にエノテカ・ワイン・セレクション(現ヴィナリウス)の北岡さんが、世界で初めて温度変化の過程を記録できるチップを開発します。これによって輸送過程での問題が発覚し徐々に完全に近い形でワインを輸入できるようになりました。倉庫会社も現在ではワイン専用の倉庫をもつところも増え進化を続けています。
このような過程で日本でも完全に近いワインを輸入できるようになり、現在ではラシーヌ、ラフィネ、フィネス、ヴィナリウス、ナパ・ワイン・トラスト、エヴィーノ、をはじめとした優秀なインポーターが育ってきています。
 
でも実はこのようなことが行われているのは上記のような日本の一部のインポーターだけで、実は生産国などでは生産者の進化とは真逆の変化無い輸送方法がとられています。つまり生産者とワインを扱う側との意識の格差が非常に大きくなっているのです。
当然日本でも上記のインポーター以外は、依然としてワインの状態に関しては無頓着です。インポーターのホームページにはコンディションに対して気を使っているようなことが書いてありますが、飲んでみると唖然とするほど酷いワインが多いのが事実です。以前よりもは少しは良くなりましたが、それでもさんが劣化してフレッシュ感のない焦点の合わないようなワインが多いのです。
 
ですからフランスに行ったから美味しいワインが飲めると思ったら大間違い。もし美味しいワインが飲みたいのならば生産者の蔵までいかないと飲むことは出来ません。以前フランスに行った際も生産者以外のお店でまともなワインが飲めたお店は2軒しかありませんでした。
 
これが現状のワイン業界なのです。
 
ですからワインが美味しくない理由の大きな部分はワインのコンディションなのです。

コンディションの良いワインの特徴
 
コンディションの良いワインの特徴
コンディションの良いワインは、まず手に入れることさえ難しいのです。
ですから、コンディションの良いワインと言われてもそれを実感している人は、一握りしかいないのが現実です。実際にワインバーやレストランに行ってもまだまだちゃんとしたワインを楽しめるお店は極僅かしかありません。
 
コンディションの良いワインの特徴はフレッシュ感です。誰でもが分かるほどフレッシュであることを実感できるのです。
 
では皆さんがフレッシュだと感じる要素とはいったい何でしょう。
それは酸です。フレッシュなオレンジやライム。爽快感のある酸がフレッシュ感を連想させてくれますよね!ワインも全く同じなのです。ですから味わいのアフターに酸をほとんど感じないワインは劣化しているのです。
 
特にリーズナブル系のワインほど熟成も早いためにフレッシュ感を感じながら美味しく楽しめるはずなのです。ところが残念ながらちょっとおかしな事実があります。
ワインショップに行って高級ワインはセラーに入っているのに、リーズナブル系のワインは店頭にそのまま並べられている。店内がいくら温度が低くてもそのまま並べられていたらワインは短期間でフレッシュ感を失うのです。皆さんは安いワインだからしょうがないと思っていませんか?
実はここが大きな間違いなのです。リーズナブル系のワインでもコンディションが良ければ驚くほどフレッシュ感があり美味しいのです。
 
さてでは熟成している古酒はどうでしょう。熟成しているからフレッシュ感がないのは当たり前だと
思っていませんか?ところがどっこい!コンディションの良い古酒はフレッシュ感がちゃんとあるのです。
 
つまりフレッシュ感が感じられないということは、劣化していると言うことなのです。
 
もう一つ、フレッシュ感があるということは、わかりやすくワインが美味しいのです。輪郭が明確で美味しくて当たり前なのです。
 
ワインはコンディションが良く、ルールを守って飲めば、誰でもがわかるほどの違いがあります。
 
もし「私はワインのことがよく分からない」と思っている人がいたら、あなたは正常なのです。だって世の中は美味しくないワインが氾濫しているのですから、、。

ワインと料理のマリアージュ新常識!

 
ワインと料理のマリアージュ新常識!


ワインと料理のマリアージュ、面白がって色々と考える人もいるでしょうけど、多分めんどくさいなと思っている方が多いのではないでしょうか。特に自宅で普段料理をワインと合わせる時は魚介系だから白や泡、肉だから赤、これが普通でしょう。
レストランに行ってマリアージュを楽しむだけという方が多いでしょう。
巷に溢れている状態がおもわしくないワインは、酸が壊れてしまっているのでマリアージュを考えないとちょっとな〜ということも多いはず。
ところがワインホリックの扱う状態の良いワインは、酸が生き生きしているので、フレッシュなレモンがワインに入っていると思ってください。酸が生き生きしていると、どんな料理でも気にならないのです。すごく合うことも必要ですが、気にならないということも自宅では大切なこと。マリアージュなどめんどくさいからこそワインホリックのワインはそんな手間を解消してくれるのです。
更に深く考えるのならば、そのワインがどこで誰によって作られているのかを調べます。海沿いの地域でしたら魚介料理が豊富でしょうし、内陸なら肉料理が多くなります。特にイタリアなどのワインは、合わせ方がちょっと難しく、地方の料理に合うように作られている場合も多いのでそこも調べると面白いと思います。ただ現代的なスタイルのワインは、その常識が当てはまらないこともあります。


ワインを楽しむ際の温度は?

 
ワインを楽しむ際の温度は?


みなさん、ワインを飲む時の温度は何度にしていますか?
多くのレストランは白は10〜12度ほど、赤は16〜18度に設定しています。通常出回っているワインの多くは状態に問題があるためにこのくらいの温度が正しいとも言えます。しかしワインホリックのワインのように酸がイキイキしているワインはレモンやライムの酸と同じであると考えてください。フルーツは酸がイキイキしているため冷蔵庫でしっかり冷やした方が美味しく感じます。ワインホリックのワインは白は5〜6度、赤は10度前後がお勧めです。実際に試してみればわかりますが、おいしさのレベルが違うのです。酸がいかに健全であるか、そこがポイントです。
ただ例外もあります。古典的な作りのワインやイタリアのワインの一部は18度くらいの方が美味しい場合があります。もし飲んでみて硬いなとか甘みが足りないと感じた場合は温度を上げてみてください。
温度の違いでワインの感じ方は大きく変わってきます。温度が高いと膨らみが出やすいのですが、その分焦点がぼやけるのです。ワインはいかに焦点を合わせるかが重要です。
更に深めていくと、ワインは生産者の蔵の温度がベストなことが多いのです。フランスのブルゴーニュなどは地下の蔵が多く温度もかなり低いのです。イタリアなどは地上の場合が多いので空調で調節していない限り基本温度が高いのです。自然派のワインなどは基本温度低めが正解です。特に酸化防止剤がほとんど入っていないワインは保存も低く保存も温度低めが正解です。


酸化防止剤とは

 
酸化防止剤とは


輸入社ラベルに酸化防止剤添加と書いてあるからといって酸化防止剤が入っていると考えるのは間違えです。輸入社ラベルは酸化防止剤の有無でラベルを変えないため共通のラベルが使われています。
酸化防止剤を加える量にもよりますが、確実にワインの味わいが変化してしまいます。少ないと当然変質しやすくなるわけですが、それは葡萄の力の有無によっても変わってきます。
生産者の蔵から日本の倉庫までの輸入過程で問題が発生するワインがほとんどで、輸入過程で極端な酸化を防ぐために酸化防止剤が使用されます。
ごく一部のインポーターはかなり良好な状態でワインを輸入することができるので最近は酸化防止剤無添加のワインをあえてオーダーし輸入を始めています。酸化防止剤の有無、量の違いもインポーターによって異なる時代が来ています。ただ酒販店での管理にも大きな要因があるので注意が必要です。
酸化防止剤無添加のワインを作るには生産者側にも大きなリスクがあるため、非常に少ないのが現実。酸化防止剤を少量使うことで変質を防ぎ素晴らしい味わいを提供してくれるワインもあります。酸化防止剤の量の違いがワインに大きな差を生み出すのです。
酸化防止剤が少ないからいいワインだと思うのは間違いなのです。


自然派のワインとは

 
自然派のワインとは


自然派のワインが流行っています。自然派のワインは体に良いと思っていませんか。ちょっと待ってください。
自然派のワインで妙に酸化した色合いのワインが多いのはご存知でしょう。変色しているようなワインでも大丈夫なワインはありますが、ほとんどのワインは問題があって変色しているという事実があります。自然派独特の酸化臭があるワインがほとんどで、特に高価なワインほど何故このワインが高価なのかわからないようなワインも多い。
何故このような現象が起きるのでしょう。
その理由は、葡萄の力の問題です。農薬を使った土壌は農薬が土地から抜けるのに15年を要すると言われています。栽培方法の問題など多くの問題を抱え、実際に自然派として成り立つ葡萄がなんと少ないことか。葡萄の力が弱いほどに、ワイナリーの衛生環境、酸化防止剤の有無、量の違いがワインに大きな影響を与えます。また輸入方法や倉庫での管理によっても大きな無影響を受けます。結果体に良いと思っていた自然派ワインも悪くなっているワインが多く、飲んだ後頭が痛くなったり調子が悪くなるワインが多いのです。秀逸な自然派ワインほど、自然派であることを全く意識しないで飲めることを覚えておいてください。


ワインの保管方法

 
ワインの保管方法


最近はフランスでさえも日本の販売スタイルが逆輸入されました良質で状態の良いワインが手に入りません。元々日本でもフランスなどの販売方法を参考にしている場合が多いのですが、昔のフランスとは環境が違いすぎて形だけ真似てもなんの意味もありません。
昔のフランスは石造で作られた建物が多くエアコンなどもなく室内の温度はひんやりとしていて一定でした。ところが温暖化の今石作りの建物は強い日光で焼かれるようになり、エアコンを使うところが多くなってきました。
ブルゴーニュの生産者の元にいくと、ワインは地下の貯蔵庫にそのまま並べられています。地下水によって適度な温度に冷やされ、人の出入りもほとんどないために一定の温度になっているのです。これを日本で真似をしても絶対にうまくいきません。
ではどうしたら良いのか。エアコンで14〜16度に設定した部屋にワインをそのまま並べるのではなく、箱に入れて保存するのです。部屋の温度が変わっても箱に入れておけば、温度変化を最小限にすることができるのです。年間温度変化はある程度あっても大丈夫です。ワインセラーで保管するのも大丈夫です。できるだけ振動が少なく、いいセラーを選んでください。安いセラーだと入れておく意味すら無い場合があります。


毛嫌いされてきたガメとアリゴテに注目!
 
毛嫌いされてきたガメアリゴテに注目!

アリゴテはキールに使われるほど酸が強く昔はあまり好かれるようなワインではありませんでした。ガメはブルゴーニュでもパステゥグランやボジョレー地区で使われる品種で酸が強く格下に見られる傾向があったのです。
その分両品種とも植え替えられることが少ないため今では非常に樹齢の高い樹ばかりです。ですから非常に良い葡萄が取れるという利点があります。
温暖化の現在、ブドウの酸不足が問題になっています。2003年以降世界的に温暖化の傾向が始まり、エアコンがほとんどなかったブルゴーニュでは多くの死者が出ました。特にこの数年の夏の熱波はヨーロッパのワインに大きな影響を与えています。
そんな現場において実はアリゴテやガメは酸が強いことが幸いしてすごくレベルが上がっているのです。とにかく一度先入観を取り払って飲んでみてください。びっくりしますよ!

ワインを飲む際に注意したいこと
 
ワインを飲む際に注意したいこと

ワインを飲む際に注意することはワインの温度だけではありません。ワイングラスが非常に重要でその形状によってワインの味わいは大きく変わってきます。
ここで問題にするのはワインの香り。ワイングラスは、洗ったばかりではむず垢の匂いが残りますし、戸棚の中に入れておくと戸棚の香りが移っています。ではどうしたら良いのか。
グラスにワインを少しだけ入れてリンスしてください。こうすることにより香りを集中されるグラスはワインだけの香りになります。
別のワインを飲む際に、水でグラスを洗う人がいますが、これも次に飲むワインでリンスしてください。これだけでもワインの香り味わいが大きく変わるのです。
コルクでわかること
 
コルクでわかること

ワインを守っているコルク。代わるものがないほど理想的と言われています。
 
ところが近年このコルクが原因で起こるブショネなどの問題がコルクの存在感を脅かしているのです。コルクの乱獲により樹齢の高いコルクが減り、殺菌の過程で起こるブショネの問題でワイン自体が菌に冒され異臭がしてしまうのです。実はブショネはワインだけの問題ではなくコルクを使っている調味料などでも起こっていることはあまり知られていません。コルクを抜いた際は必ず液面側の香りをかいで下さい。そこからいろいろなことが分かってきます。
 
ブショネの問題などは他章で述べていますのでそちらをご覧下さい。
 
コルクは生産者によって長さが違います。昔のコルクは長く弾力性がありました。特に優れた生産者のコルクほど良質なものが使われ、コルクにワインが染みいることでワインを守っていたのです。最近のコルクは弾力性がないためにワインが染みこんでいるのをほとんど見かけなくなりましたが、ルロワなどのコルクは染みいったコルクの上にルロワの蔵にある黒いカビがびっしりと付いていたのです。この黒いカビはワインを守るカビと言われており逆にこのカビが付いているワインは非常に美味しい可能性が高いのです。最近コルクにワインが染みていると良くないのではと言われる方がいらっしゃいますが、それは逆にコルクが良質であると思って下さい。
 
最近ではコルクの価格高騰によりこのようなコルクを使っているのは極僅かの高級ワインを作る作り手だけになってしまいました。へたをすれば安いワインの卸値よりも高くなってしまったコルク。現在コルクの代用品の開発が続いています。ガラス、圧縮コルク、人工コルクスクリューキャップなど皆さんも見かけたことがあるのではないでしょうか。
昔からコルクが短かったのはポートワインやマデラワイン。伝統的にコルクが短く熟成を経たワインなどはほとんどコルクが寿命を過ぎぼろぼろになっていることもあります。
コルクの長さを見るだけでそのワインの価値が分かるともいえます。
 
コルクを抜く際に堅くて抜けにくい場合があります。圧縮度が高いために抜けにくいのですが、抜けにくいワインほど熟成が遅いことが多いのです。コルクを抜く際に同じワインでも抜けにくかったり抜けやすかったりしますが、それによってワインの熟成度が違ってきますのでちょっと気にしてみて下さい。あまりにも簡単に抜けた場合は酸化が進んでいる可能性もあります。
 
コルクを観察すると時々虫食いコルクがある場合があります。このようなコルクの場合コルクの中に余計な穴が開いていて空気を通してしまう場合がありワインが酸化していたり余計な香りがついている場合があります。ワインがちょっと変だなと感じたらまずはコルクを見てみることです。
 
昔からコルクの機能についてはいろいろな意見があります。僅かな空気がワインを熟成させるという人と、空気が完全に入らない状態の方が理想だという意見。
ルロワなどは伝統的にコルクの圧縮度が低く、微量な空気が徐々にワインに良い結果をもたらすという考え方があるように感じます。現実的に良質なコルクが手に入れにくくなった今、このような考え方は現実的に出来ない状況になっています。
 
最近ではコルクによる悪影響が問題になっているために徐々にコルクの代用品がリーズナブル系のワインに使われるようになっています。また高級ワインでもコルク業者を数社に分け使い分けているのです。以前はその年の全部のワインがブショネに犯されてしまい、一年分のワインが全て駄目になってしまった事例があるのでリスク分散するためにコルク業者を何社か使っているのです。
 
また蔵元に寝かされているワインは定期的にコルクの打ち直しをします。これはコルクの寿命の問題ですが、たまに古酒などの場合、コルクが柔らかすぎたり、瓶にくっついてしまって抜けにくいときがありますが、これはコルクの寿命が尽きているためです。最近では蔵元に古酒を抱える生産者は減りましたが、定期的にコルクの打ち直しをしているのです。
ちょっと余談ですが、コルクを打ち直しをする場合、減った分のワインを足すのですが、同じワインをつぎ足す場合もありますが、ほとんどの場合新しいヴィンテージのワインを入れることが多いのです。ですからリコルクしている場合は古酒であっても数年おかなければ味わいがなじまず妙に若さを感じ美味しく感じない場合があります。リコルクしていない古酒の方が美味しいことが多いのです。
 
コルクを観察することでこれだけのことが分かってきます。コルクを抜き液面側の香りをかいだだけでその味わいが想像できる、繰り返し観察しているとよりワインのことが分かってきます。
一度飲んだだけでワインを見定めてはならない
 
一度飲んだだけでワインを見定めてはならない
 
ワインを一度飲んだだけで「このワインはもう飲んだから」と見定めてしまっていませんか?
 
ワインは、どこで購入したのか、楽しむ環境、ワインの落ち着き具合、コルクの違いで大きく味わいが違ってきます。
 
例えば同じワインでもどのインポーターが輸入したかで味わいが大きく違います。これは輸入課程がインポーターによって違うためで、同じ蔵出しでさえどれだけ精査して輸入したかで味わいに差が出るためです。
 
ワインショップでも管理によってびっくりするほどの差があります。管理の仕方に関する知識がないためにワインショップの管理で驚くほどの差が付いてしまうのです。
 
インポーターにしてもワインショップにしても、他のワインと比較試飲をしたり、生産者のところにあるワインと飲み比べをする機会が少ないためにそれに気がつかず、同じような状態にある自分のところのワインが当たり前になってしまうのです。
 
皆さんがワインを楽しむ際も、どこで飲むのか、どうやってワインを扱うのかで大きな差が出ます。
 
自宅で飲む場合はちゃんと落ち着いているかを確認すること。ワインが送られてきたら最低でも2〜3日は落ち着けること。これで凄く味わいが変わってきます。できればそのワインがいつ輸入されたのかも確認することも大切です。ワインのほとんどは船便で運ばれてきますが、海上の振動で輸入されたばかりのワインは疲れていることが多いのです。
 
レストランなどに持ち込む場合は、できれば事前に運んでおくか送っておくことが重要です。手持ちで持って行ってすぐ飲むとワインが荒れていて本来の味わいがわかりません。私も何度の経験していますが、魅力の半分程度も感じないことが多いのです。
 
お店で飲む際もお店によっては温度が高すぎたり冷えすぎていたり、グラスが的確でなかったりとワインにとってあまりいい環境ではない場合もあります。結局はそれをどうにかするのも皆さんの知恵次第ということになります。
 
コルクの状態によってもワインの味わいは大きく変わります。圧縮度の高いコルクは若く、緩いコルクは通常よりも熟成が進んでいます。ブショネという最悪の結果もあるのです。
 
だからこそワインは一度飲んだだけで判断してはいけないのです。
 
今までこのようなことを考えていなかった方は、多分ワインの大きな部分しか感じていないのだと思います。
 
でもあまり神経質に考えないようにしてください。それだけでワインが美味しくなくなってしまいます。ワインを飲む際は、上記のことを思い浮かべそのワインを判断することです。そして少しずつでもいいので理想的な環境を自分で整えていくことが大切です。
 
ワインは同じワインでも飲む時期によって味わいが変わります。熟成による変化と落ち着き具合の違いで変わってくるのですが、同じワインを数本買って飲む時期を変え飲んでみてください。こんなに違うのかと驚くはずです。そしてもしかしたら何か問題が見えてくるかもしれません。

 
ワインを楽しむ最良の方法


01


最良のインポーターを選び、適切に定温で管理されたワインを購入する。送ってもらう際はヤマトのクール便で依頼し届き次第時間を空けずにワインセラーに入れること。ヤマト以外のクール便は信頼はできないと思ってください。もし届いたワインが冷えていなかったりした場合は必ずすぐヤマトに連絡してください。


02


ワインの温度管理は14度以下。白ワインと赤ワインを別々に管理できる場合は、白は6度、赤は10度で管理する。ワイにとって一番問題なのは1日の温度変化。必ず1〜2度以上温度がブレないことが大事。振動対策も重要で振動が大きい場合、常にワインは暴れた状態になり落ち着かなくなります。


03


ワインを開ける際は、最低でも送られてきてから2〜3日は落ち着かせてから。ワインは落ち着くほどに本来の味わいに戻ります。飲む際の温度は白は6度、赤は10度。通常言われている温度よりもかなり低い設定ですが、状態の良いワインは酸が生き生きしているために低温の方が輪郭が明確になります。


04


ではワインを抜栓しましょう。まずキャップシールの上だけでなくキャップシール全てを取り除きます。ワインの口をよく拭き汚れを取り除きます。インポーターのシールが後ろに貼っている場合はそれも取り除きます。コルクを抜いたら布巾で口の周りをよく拭きます。シャンパンの場合は音が立たないようにゆっくりとコルクを抜いてください。音がした場合としない場合とでは味わいが違ってきます。


05


ワインを注ぐ前にグラスをよく拭いておきましょう。楽しむワインをちょっとだけグラスの注ぎグラスの内面を全体によくワインでリンスしておきます。これでグラスの内面はワインの香りだけになります。


06


グラスを斜めにして空気がたたないように滑らかにワインを注ぎます。シャンパンも同じです。現代の状態の良いワインは開かせるために空気を混入させるのではなくできるだけあるがままの質感を楽しみます。グラスも昔のようにクルクルと回さずに楽しみます。ボディーの質感、自然に漂う香りを楽しみます。


07


最後に。今までの常識とかなり違うと思います。現代のワインは、早熟で質感の良さが売りです。落ち着かせることでワインは本来の姿に戻るため、わざわざ暴れさせるような行為は必要無いのです。もちろんデキャンターすることなど必要ありません。



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