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唯一無二の師のもとで学んだ、徹頭徹尾ブレのないフィロソフィ、若さとバイタリティ溢れるコッリオの可能性
スロヴェニア西端、イタリアと国境を隔てる Brda ブルダ、その中心部に位置するビリャーナの町。イタリア側のゴリ
ツィアやコルモンス、オスラヴィアまで車で 10~20 分と近く、国は違うものの同じ土壌を持つ「Collio コッリオ」であ
り、古くローマ時代にはコッリオの中心地として繁栄していたとされる土地。旧ユーゴスラヴィア時代、共産主義の名
のもとに土地の所有が無くなり、経済的な発展を遂げられなかったこともあり、現在イタリア側とは大きくかけ離れた
経済的な格差が残っている。
同じ土地個性、ポテンシャルを持っていても、国を違えるだけでその評価や価値は大きくかけ離れてしまう。当
主であるアンジェ イワンチッチは現在 31 歳。両親、親族もワイン造りはおろか、農業とも全く関係のない職業を営
んでいたものの、幼くして自然や農業に興味を持ち、高校は地元の農業高校に進学。校内に掲示されて
いたワイナリー研修生募集に申し込んだアンジェ。その研修先こそフリウリ、いやイタリアを代表する偉大な
る白ワインの造り手「Josko Gravner ヨスコ グラヴネル」でした。
研修期間だけでなく、そのままグラヴネルの元で 10 年以上働いた彼。「ワインを造る上で重要な事、
唯一のことはヨスコの元で経験した事」、そう屈託のない笑顔で語るアンジェ。自宅の近くにある高樹齢の
ブドウ畑を 2017 年より借り、働きながら自身でブドウ栽培、醸造を始めます。
畑は自宅から歩いてすぐの約 2ha、樹齢は基本的に古く 40 年以上のものがほとんど、区画によって
はブルダで最も古く残ると言われている 55 年という畑もあります。土壌は強烈なポンカ(Ponca:泥炭土
や砂岩、シルトといった堆積岩が、数万年という歳月で風化し崩れやすくなった土壌)に覆われており、強
いミネラルはもちろん、崩れやすい岩石の間にブドウ樹の根が張り巡らされ、保水性も非常に高い土壌。
「ポンカ土壌の中心がこのビリャーナ」、という言葉の凄味を感じる土壌。樹齢の古い畑は、グイヨーやコ
ルドーネスペロナートで広い間隔がとられ、さらに地表より 1m ほどの高い仕立て。
アンジェ曰く「この 10 年で気候も大きく変わった。最近の夏の暑さだと、地表に近すぎると熱の影響を
受けやすく、必要以上に過熟になりやすい。古くから行われてきた高い、間隔をとった仕立ては、風通し
が良い事はもちろん、ブドウ樹の完熟までに十分に時間を費やすことが出来る。ただ一つ、言うとしたら剪
定や除葉の作業量が多い事くらいかな、、」。そう話しながら、春先に出ていた芽や余分な葉を、ハサミも
使わず素手で、まるで計算されたかのように素早く落とすアンジェの手の動きに言葉を失います。もちろ
ん、最低条件として、樹齢が非常に古く根が十分に伸びていること。そして、結実したブドウを徹底的に落
とし、収穫量を厳しく制限する事。この徹底した収穫量の制限は、まるでグラヴネルの畑を見ているかの
ようでした。「大体 1 つの樹に 4~6 房、房の大きさもこぶし程度までカットするから、1 本の樹で
500g~700g くらいかな、、。房の大きさが決まってから、70%はこの時に落とすんだ。近所からはあいつ頭がおかし
いんじゃないか、、ってよく言われるよ、、」。
表土は基本的にほとんど手を加えない。ブドウ樹の仕立てが高いこともあり、雑草がある程度伸びても樹の生育に影
響を与える事は少ない。1 年間で僅か1~2回、雑草を切るのみ。「畑の下草や表土にも野生酵母は多く存在してい
る、だから基本的に畑に残すようにしている」、そう語るアンジェ。
非常に恵まれたポンカに埋め尽くされた土壌に、50 年以上の古いブドウ樹は近代的な仕立てではなく、伝統的とも
いえる土地に見合った仕立て。しかし、それだけではある意味古くからあるワイン造りの域を出ません。しかし、そこから
さらに目を疑うような激しい収量制限と、果皮・種子の完熟、というより超凝縮ともいえるような樹上での完熟。種子ま
で完熟し茶色く色づいた種子、「収穫前の粒を割ると、果汁がまるで蜂蜜のような粘性を持っているんだ」、そう笑う彼
の自然体過ぎるこだわり。ワイン造りを始めたきっかけから、畑との向き合い方、そしてワイン造りまで。ヨスコ グラヴネ
ルという偉大なる造り手で構築されたアンジェのフィロソフィ。
この異常ともいえるこだわりと凝縮が、まるで当たり前と考えていることに、感覚のギャップを激しく覚えます。グラヴネ
ル、そしてダミアンの話す言葉とリンクする「ワイン造りにおいてほとんどの仕事はブドウを収穫するまで」、すでにこの年
齢で、ここまでの言葉が迷いなく言えることが彼の才能だと直感します。
醸造については非常にシンプル。収穫したブドウを除梗し開放桶の中で 4~5週間のマセレーション(果皮浸漬)を行
いながらアルコール醗酵を終えます。醗酵が終わり、果皮が液面から沈むのを待ちます。手動の圧搾機(バスケットプ
レス)にて圧搾し、木樽に移し 24 カ月の熟成を行います。強烈に凝縮したモストは糖度が高いこともあり、非常に緩や
かに醗酵が続きます。アルコール度数も 15%を軽く越えるヴィンテージが多く、2020 のフリウラーノは 17%にも迫る
ほど、、。しかし、「アルコール度数が高いだけではない、それ以外の要素も同様、いやそれ以上に凝縮しているからこ
そアルコリックに感じない」、そう考えている彼。金銭的な理由もあり、ティーノ(開放式の大樽)を使ったマセレーション
が行えません。絶対的に生産量が足りず、大樽を埋めるだけのワインがないため、熟成にはバリックやトノーを使っているアンジェ。「自分の考えるワイン造りでは、最低でも 2 年間の樽熟成は必要だと思っている。そして 1 年以上
のビン熟成も、、。だから、今の自分が造っているモノは、最低限の基準かもしれない。ただ、かといって今の
自分のワインが足りていないとも思わない。設備が揃ったからと言ってよいものができるわけではない。自分自
身が、日々理解し納得して造ることが出来るか、それが最も大切だと思う。」
醸造設備としては、大樽やセメントタンクなどはなく、グラスファイバーの容器や 10 年以上の古小樽のみ。
容器が小さいため、樽からの香りやニュアンスを嫌い、新しい樽を使わないアンジェ。しかし、中に入っている
液体の密度、情報量の多さ。美味しいという言葉だけでは全く足りない、、そう自覚するほどの圧倒的な味わ
い。ボトル詰めを始めたのは 2018 年から。生産量は僅か 3000~4000 本には満たない量。あれほどの徹
底的な収量制限を行っているからこその少なさ。
ダミアンだけでなく、これまでもコッリオで多くの造り手を見てきましたが、今の時点で凄まじいほどの偉大さ、可能性を持っていることは間違いありません。しかし、
それ以上に彼と話している中で、完璧ではない若さ。アンジェ自身の愉しみや喜びに満ち溢れているワインだと痛感します。凄さや偉大さだけではない、人間的な柔
らかさと情熱。まだ始まったばかりでこのクオリティ、彼は今後間違いなく成長していく。その先に見えるアンジェのワインが、いったいどれほどの存在を放つのか、、
汗。期待以上に鳥肌が立つような感覚に襲われます。フリウリ、スロヴェニアという枠を超えて表現しきる「Brda ブルダ=Collio コッリオ」のポテンシャル。そしてこ
れから先の時代を担うアンジェの可能性。間違いなく覚えていただきたい原石のような造り手です!
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