Bianco“Coste di Valanche
ビアンコ “コステ ディ ヴァランケ
2017の収穫が最後となった「コステ ディ リアーヴォロ」に代わる新しい白。アルタランガの中でも、標高の高いロッカチリエの畑に植えたリースリングとトラミネール。標高600mにもなるロッカチリエの畑は、ドリアーニに比べ白亜質が多く、大きな塊のチョークが転がり、砂質、シルトの混ざり合った土地。水はけもよく土地のカロリーが低いため、果実味よりも香りを持ったブドウが収穫できると語るニコレッタ。2016年に植樹し、3年目となる2019の収穫より醸造を行いました。セパージュの比率は70:30とコステ ディ リアーヴォロと同じでしたが、アルタランガ周辺は野生動物が多く、糖度が高くアロマティックなトラミネールはシカの食害によって2/3が無くなってしまったといいます。 結果的にリースリングの比率が増えたファーストヴィンテージ。醸造方法は、コステ ディ リアーヴォロと大きく変える事なく、リースリングのみ果皮と共に醗酵、オリの上でシュール・リーの状態で6カ月以上の熟成を行いました。
樹齢が若い事、そして野生動物の食害もあり、収穫量が非常に少なかった2019、しかしそのワインのクオリティの高さには心底驚かされます、、、。ドリアーニでは感じえなかった線の美しさ、エレガントさ、そして何よりも香りの高さ、複雑さ。コステ ディ リアーヴォロとは、全く違うイメージと表現に驚かされます。ニコレッタがイメージしている、「これからのサン フェレオーロ」を感じる魅力あふれるワインです。
Bianco “Un Viaggio in Giorgia”
ビアンコ “ウン ヴィアッジョ イン ジョルジア”
リースリング、樹齢20年。完熟したリースリングのみを選別。500Lの開放式の木樽で果皮とともに醗酵を始める。発行の進行具合を確認しながら8か月の熟成(途中徐々に果皮を取り除く)。圧搾後、木樽にて24か月、ボトル詰め後36か月の熟成。ニコレッタがジョージアで体験したことから生まれた、白ブドウの果皮浸漬によって造られたワイン。
Coste di Riavolo
コステ・ディ・リアーヴォロ
リースリングは果皮とともに1週間、野生酵母による醗酵。遅く収穫したトラミネールは直接プレスしてリースリングの樽に加える。圧搾後そのまま木樽にて12カ月熟成。瓶内で24カ月以上の熟成期間をとる。年々リースリングが減っているため、トラミネールの個性を感じる。
La Lupa Rose
ラ・ルーパ・ロザート
ドルチェット90%、トラミネール アロマティコ10%。
ドルチェットは収穫後、直接圧搾し果汁のみの状態で醗酵。トラミネールは完熟したものを果皮と共に約2週間醗酵したものをアッサンブラージュ。ドルチェットの果実的な柔らかさと、トラミネールの強いアロマと香り、個性的でありながらシンプルに楽しめる、楽しむべきワイン。
Il Provinciale”Langhe Nebbiolo
イル プロヴィンチァーレ” ランゲ ネッビオーロ
ニコレッタの造る唯一のネッビオーロであり、彼女の憧れでもある「古き良きバローロの造り手へのオマージュ」ともいえるワイン。標高の高いドリアーニより収穫する強靭な酸とタンニンを持ったネッビオーロと、バローロのエリア「セッラルンガ
ダルバ」より収穫された複雑さや繊細さを持ったネッビオーロ。この
2つのネッビオーロを、伝統的なバローロの醸造方法を踏襲して造られるイル プロヴィンチァーレ。
2018年は雨が多く、良年とは言い難いヴィンテージだったというニコレッタ。ただ、収穫前の天候は決して悪くなく、冷涼で繊細な印象を持ったネッビオーロ。近年強いヴィンテージが続いていたこともあり、
2018は通常よりも長く大樽での熟成期間をとったという彼女。しかし、例年よりも華奢で繊細なネッビオーロには、非常に長いマセレーションと大樽での長い熟成は、彼女の想定以上に熟成が進む結果となりました。退色を感じる淡い色調に柔らかく甘みさえ感じるような複雑なネッビオーロ。これまでのプロヴィンチァーレとは明らかに異なる表情。フルーツの甘い香りと柔らかく繊細なタンニン、熟成も進み妖艶さも加わった香り、、、。現時点で素晴らしい味わいとバランス感を持っていると思います。強靭で長命なアウストリ
2015とは対照的な柔らかくも儚げな美しさを持つ素晴らしいネッビオーロです。
Valdiva
ヴァルディバ
ドルチェット、樹齢30~40年。
収穫後、除梗しステンレスタンクにて果皮とともに1週間程度、野生酵母による醗酵を促す。圧搾後、そのまま6か月熟成。ボトル詰めのあと少なくとも6か月以上の熟成期間をとる。
1593 Langhe Rosso
1593 ミッレチンクエチェントノヴァンタトレ・ランゲ・ロッソ
「地元ドリアーニに記録が残る、ドルチェットが醸造されたとされる最古のヴィンテージ」。サンフェレオーロの畑の中でも、もっとも古い区画(第二次大戦前に植えられた樹齢
80年近いブドウ樹)、その半分以上のブドウ樹はピエディ
フランコ(台木を使わずに自根にて栽培)として残っている畑。ここから選別した最高のブドウのみを収穫、ブドウの持つ高いポテンシャルを表現しきるため、伝統的なバローロの造り手のような繊細かつ長い時間をかけた醸造方法。抽出をより繊細に行うため、
Capello Sommersoカペッロ
ソンメルソ(=果帽を崩さず、中蓋で液面に浮き上がらせなくする手法)を取り入れ、長期間のマセレーション。強く抽出をせず、優しくゆっくりと引き出された果皮の要素は、複雑味と繊細さ、エレガントさを数段押し上げております。
2012は夏の暑さはあったものの、それ以降の低温、収穫前の雨と非常に気難しいヴィンテージだったと話すニコレッタ。ブドウの果皮の完熟した強い香りを持ちつつも酸の高さ、タンニンにきめ細かさ、どちらの表情も持っていることに驚かされます。このヴィンテージから、本格的にカペッロソンメルソを取り入れています。さらに言えば、長期間の果皮浸漬を行った分、樽での熟成期間も長くとる必要があると感じた彼女。大樽にて
6年、ボトル詰めして
4年、合わせてなんと
10年という歳月を費やしてリリースされた、まさに最高のドルチェット。「ドルチェット(というブドウ)は早飲み、ポテンシャルがない」、という言葉が間違いだという事を完璧に証明してくれる、凄まじすぎるドルチェット。猛烈なヴォリューム感と香りの複雑さ、妖艶さ、濃密でいてなめらか、存在感のあるタンニン。そして熟成香と相まって柔らかくも長く続く余韻。収穫から
10年を越えた熟成を経て、もはやドルチェットであることはもちろん、その存在を越え「素晴らしいピエモンテの赤」という次元に到達している、そう言った方が伝わりやすいように感じてしまいます、、汗。一つのブドウ品種を愛し、固定観念を越えたサン
フェレオーロ、ニコレッタの探求心を形にした素晴らしいドルチェットです!
Dogliani”Sanfereolo”
ドリアーニ “サンフェレオーロ”
ニコレッタの考える、ドルチェットの最大表現ともいえるワイン。
2015が完売いたしましたので、昨年リリースとなる
2016をご紹介させていただきます。ドルチェットというブドウの本質を表現するために、彼女がたどり着いたのは伝統的なバローロの造り手達。果皮との接触を長くとり、開放式の大樽で長期間の浸漬醗酵。タンニンが少ないといわれるドルチェットですが、このブドウのタンニンは果皮ではなく種子にある、そして種子から上質なタンニンを抽出するには、種子の完熟を待ってから収穫を行わなくてはいけない。樹上で限界まで完熟したドルチェットのみを選別し、果皮とともに長期間の醗酵。
6年以上の歳月をかけて世に出される、まさに唯一無二のドルチェット。
2016は天候に恵まれ、非常に完熟したブドウが収穫できたと話すニコレッタ。安定した緩やかな気候、収穫まで十分に時間を取ることができた年。果実と酸のバランスが良く、長期熟成のポテンシャルを持ったヴィンテージ。非常に美しい香りと、繊細でいて複雑さを持ち合わせた果実。タンニンは丸く長い熟成期間のおかげで非常に丸みを帯びているものの、豊満なだけでなく全体を引き締める酸が特徴的なヴィンテージ。
近年、ワインの進化が著しいサン
フェレオーロ。単に「熟成期間が長い」と理由だけでなく、熟成によって生まれる複雑さや香りの幅、ワイン自体のサイズが大きくなっていると感じております。
2016は収穫にも恵まれたヴィンテージ、これが本当にドルチェットなのか?疑ってしまうくらいの存在感と素晴らしい熟成香を感じます。バルベーラやネッビオーロでは決して味わえない一体感。柔らかみを前面に感じる、質感心地よいドルチェット。やはり、サンフェレオーロのドルチェットは、他のどのドルチェットにも代えがたい存在です。
Vingne Doici
ドルチェット・ヴィーニェ・ドルチェ
ドルチェット、樹齢30年。果皮と共に2週間、緩やかに醗酵が始まる。圧搾後、ステンレスタンクにて12か月の熟成。サン フェレオーロとは違うドルチェットの繊細さ、軽やかさを表現したワイン。2017は冷涼なアルタ ランガにとって、天の恵みともいえる良年。エレガントで美しい酸と、実った果実の味わいのバランスを持った素晴らしいヴィンテージ。
Austri Langhe Rosso
アウストリ
バルベーラ85%、ネッビオーロ15%、樹齢40年。サンフェレオーロの畑よりやや低い420mの畑。果皮とともに4週間以上、(果帽を沈めた状態で)開放式の大樽にて醗酵。圧搾後、大樽にて24か月、ボトル詰め後60か月熟成。サン フェレオーロと同じ概念で造られるバルベーラ、ドルチェットには表現しえない酸の美しさ、繊細で複雑さを持ったタンニン、余韻の美しさ。2013年は今まで以上に美しさを感じるワインです!