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Maziere 

マズィエール


Maziere Maziere Maziere Maziere Maziere

ファブリス・モナンの名は、生産者としてではなくカヴィストとして知っている人の方が多いかもしれない。パリのワインバーで働いたのちに、2001年に故郷のブザンソンに開いたレ・ザンザン・デュ・ヴァンにはフランス国内だけでなく各国のヴァン・ナチュールラヴァー達が通い詰めた。ファブリスはフランス中の生産者達の元に通い、情熱をもってヴァン・ナチュールをサーヴし続けてきた。彼が出会ってきた個性的な造り手たちがファブリスのワイン観に大きな影響を与えたことは疑いの余地はない。様々な出会いを経てコルビエールの人里離れた山中で、2013年にブグイユ家のワイナリー:マズィエールを引き継ぎ自身のワインを造り始める。
 
黒(蠟封の色):グルナッシュ主体。
:シラー主体。
:カリニャン主体。サラン(塩気)を大事にしたい。ともすると単純な果実味を感じさせるだけのカリニャンだけれど、飲みごたえのあるものを目指している。うどん粉病のプレッシャーの強い年には、キノコのような香りがすることも。
:マカブー主体。グルナッシュブラン、ミュスカなどの南の白品種も。一部マセレーションもしている。ほんのり感じる苦みは、グルナッシュ系品種によるもの。

VdF - Mazière M
マズィエール エム
 
品種:マカブー主体
植樹:1930 年代、2000 年代
位置:標高 300m
マセレーション後、古樽で 2年間熟成
黄色の蝋封。
マカブーが主体で、ブドウ木の樹齢は高い。よい熟度の高いブドウを得るために数回に分けて収穫する。
マセレーションの後に古樽に移して約 2年間熟成させ、 ミネラルを引き出し、自然な酸味を際立たせる。
濃厚で塩味が強く、樽や熟成のタイプ(補酒、産膜酵母、ソレラなど)によって、このキュヴェ特有のニュアンスや独特なツヤが生まれる。
マズィエール/ マズィエール・エス 
Maziere S
マズィエール・エス 
 
品種:シラー主体
植樹:1930 年代、2000 年代
位置:標高 300m
バリックやグラスファイバータンクで醗酵
マセレーション期間はブドウの状態や、醗酵槽などにより、 2日間~数ヵ月間と様々
バリックで 24年間熟成
青い蝋封。
S14:少量ブレンドしたグルナッシュがピノらしいニュアンスを与える。シラーのほとんどが北向き斜面の畑。一部除梗して醗酵させ、軽やかな花の香りをつけた。カリニャンと、マカブーの古樹をブレンドすることで、更に爽やかな印象を与えることが出来た。
マズィエール/ マズィエール・セ 
Maziere C
マズィエール・セ 
 
品種:カリニャン主体
植樹:1902 年、1950 年代
位置:標高 300m
バリックやグラスファイバータンクで熟成
マセレーション期間はブドウの状態や、醗酵槽などにより、 2日間~数ヵ月間と様々
バリックで 34年間熟成
赤い蝋封。
C14:クロ・デスタンと呼ばれる区画、この地域のカリニャンの特徴である、塩気とガリーグのテロワールであるこの地域の香りを、両立させるため、全房醗酵を行った。 4つの樽のブレンド。
C15Magnum):マセレーションはごく短く、良く熟したマカブーを少量ブレンドし、エキゾチックなアロマをつけた。主に 2つの樽のブレンドだが、酸化熟成させているグルナッシュ 2013をブレンドし、味わいに厚みをつけた。
VdF - Mazière G
マズィエール ジェ
 
品種:グルナッシュ主体
植樹:1930 年代、2000 年代
位置:標高 300m、南東向き
数日から数ヵ月間の長いマセレーションを経て、古樽と 54Lのガラス容器で熟成
黒い蝋封。
グルナッシュ・ノワールを主体に、グルナッシュ・グリやグルナッシュ・ブランを混ぜることもある。畑は大半が南東向きの区画である。
完熟してから収穫し、数日から数ヵ月間の長いマセレーションを経て、古樽と 54Lのガラス容器で熟成させる。
アッサンブラージュすることで、力強さと柔らかさをワインに与え、長く続くランシオのニュアンスをまとい、たまに少量の残糖を感じさせることもある。
 
 

マジエールとは

 
 

地域:Languedoc ラングドック
地区、村:Padern パデルヌ
オーナー:Fabrice Monnin ファブリス・モナン
HP:https://www.vin-maziere.fr/
 
【ワイナリーと造り手について】
 ファブリス・モナンの名は、生産者としてではなくカヴィストとして知っている人の方が多いかもしれない。パリのワインバーで働いたのちに、2001年に故郷のブザンソンに開いたレ・ザンザン・デュ・ヴァンにはフランス国内だけでなく各国のヴァン・ナチュールラヴァー達が通い詰めた。2013年に自身のワインをパデルヌ村で造り始めるまで、ファブリスはフランス中の生産者達の元に通いつめワインを仕入れ、時には実験的に生産者のセラーの片隅で自身のワインを造ったりもしながら、情熱をもってヴァン・ナチュールをサーヴし続けてきたのだ。
「ジュール・ショヴェの仕事を受け継ぐ者、伝統主義者、ビオディナミスト、狂人的に頑固な昔ながらのヴィニュロン達と出会うことができた。ビュジェ地方の小さな宝石のような果実から造られるフランソワ・グリナンのワイン、華やかな清涼感を持つタン・レルミタージュのダール&リボ、マス・ヴァランソールのベルナール・シャンドリエの造る素朴な赤ワインとセヴェンヌの太陽の下で製造された甘口ワインなど、多くの面白いワインをサーヴすることができた。長期熟成が伝統の一部となっているジュラの多くのワインや、ソローニュのクルトワ家の唯一無二なワイン。ジル・アゾーニのワインにはお手本のような飲み心地の良さがあり、ブルーノ・シュレールは創造性の頂点を体現している。」とファブリスも当時を振り返る。好奇心の赴くまま常識から外れた生産者達、特定のグループに当てはまらない独創的なアーティストたちとの出会いを重ねる中で出会ったマズィエールの元オーナー:ジャン=ミシェル・ラブイグも、そうしたカテゴライズ不可能なアーティスト達の一人だった。彼のワインは時に強い日差しを思わせ、古い蒸留酒のようでもあったが、時間とともにエレガンスの高みに達することができた。ボトルの中で常に何かがうごめいているかのような強烈な個性を持っていたにもかかわらず、エチケットにはvin de table françaisと書いてあるのみだった。そして最も洗練されたキュヴェには、最高級のクリュにふさわしい甘みと塩味が備わっていた。
コルビエール一帯にはファブリスが地質学を学んでいたころに何度も訪れており、パデルヌ村はコルビエールの山中に忘れ去られた壮大なテロワール、時が止まったかのような、大自然に囲まれた場所だ。父ジャン=ミシェル・ラブイグの後を継いだジュディット・ラブイグとファブリスとの出会いは、数年間放置されていたセラーとブドウ畑に彼らを導いた。
 「本質的なワインとは感情や夢の担い手であり、妥協やレシピなしに醸造され、熟成によって時の刻印が押されたブドウの味わいである。常に時流からかけ離れ、真似のできない、テロワールに根ざした自然美の担い手であるワイン。それこそが私たちが心惹かれる、そしてワインそのものよりも、ワインが象徴する自由な精神が、私たちをここまで導いてくれた」 - ファブリス・モナン
 
【畑と栽培について】
 畑へ向かうまでは、四駆でなければいけないような荒れた道で、畑は草が生い茂り、南仏ならではガリーグや様々なハーブが生えている。樹齢は1040年の畑と、60年~90年そして100年を超える古樹の畑が半分ずつ、村を流れる川を挟んで点在している。ブドウ畑を他の作物に植え替えることの補助金も出ているそうで、ブドウ栽培は衰退の一途をたどっている地域だそうだが、約10haの畑を手に入れることができた。彼の畑をみると、周りには石垣などの古い畑の跡はあるけれど、雑木林となっており現在パデルヌの村でワインを造っているのは彼だけなのだとわかる。
主な畑(丘)は以下の3つ。

ル・クロ・デスタン: 12品種のブドウが植えられている典型的な地域のテロワール。樹齢100年の古樹の畑で土っぽさやミネラル感、塩気のある味わいのワインが生まれる畑で、マカベウとカリニャンのベースとなっている。
ラ・バジュングル: 日照に恵まれた植生豊か畑で、熟した果実味があり、グルナッシュ・ノワールのベースとなっている。
レ・グレーズ: 風通しが非常によく、フローラルでデリケートなワインが生まれる畑で、シラーのベースとなっている。比較的樹齢の若い畑だが、古樹も少しだけ植わっている。
 
    バイオロジック栽培の原則に準拠しており、2017年からエコセールの認証申請を進めている。冬には羊を畑に話し畑の作業は手押しの耕運機や小さなキャタピラのトラクターで作業し、機械化が困難な古い畑では、多くの作業が手作業で行われている。深くは耕さず、冬の終わりに浅く表土を掻き、夏には草を刈る。開花の時期に硫黄を散布し、スギナ、イラクサなどのハーブの煎じ役も農薬として散布。山に囲まれており、地下水にも恵まれ移住してきた当初は水不足の問題は少ないかのように思われていたが、2020年以降、降雨量の減少は顕著になり減収穫の大きな理由になっている。さらに厄介なのが猪で、電柵では間に合わず、頑丈なフェンスですべての畑を囲む必要が出てきている。
【セラーと醸造について】
真新しい、タンクの並ぶセラーよりも、冷えたセラー(15度が理想)の奥にある古い樽でゆっくりとワインを熟成させることが肝要だとファブリスは感じている。ラブイグ家から受け継いだセラーは北向きの斜面を掘った半地下のセラーで、醸造設備は木製の除梗機、破砕機、垂直プレス、バケツなどの、手動のシンプルなものを好んで使い、ポンプの使用も最小限にするために、天井に移動式の滑車を通して樽を吊り上げられるようにしている。
   熟成には古樽のブルゴーニュ樽、ボルドー樽、少量のドゥミ・ミュイを使い、23年の熟成を行う。長期の熟成を行うのは、早すぎる瓶詰により引き起こされる不安定の味わいを避けるためで、時間をかけることで、近代醸造学的な技術や工程を経なくてもワインを安定させることはできると考えている。長期熟成されたワインはアロマが立ち、タンニンが洗練され、何よりも塩味が現れる。水不足によりブドウの成熟が止まってしまったり、猪に食べられてしまうリスクも高まったりもするため、収穫のタイミングをあまり待てないこともあり、その場合は必然的に熟成の期間も短くなる。
 
醸造について(2019年)
醸造は樽ごとや醗酵槽ごとにかなりちがっていて、マセレーションの期間も2日間~9ヶ月間(書き間違いではありません)と大きく幅がある。同じ畑でも熟度で分けて何度も収穫したりしている。補酒も極端な酸化や揮発酸を感じさせない限りはしない方針。マセレーションは基本全房で醗酵前に手回しの破砕機でつぶす(一部全房無破砕で発酵するときもある)。絞った白品種の果皮を赤と一緒に漬け込んだりもしているのでいろいろな味わいが感じられる。
4種類のキュヴェをつくっていて、品種ごとにキュヴェが分かれている。ひとつのブドウ品種でも、様々醸造手法を採用し、それらをブレンドさせることでより、複雑で奥行のある味わいに仕上げている。時にはVTも跨いでブレンドする自由さで、目指すのは、地域全体を表すような味わい。ブレンド前のワインはそれぞれ次のようなものがある。
 
1.平均的な熟度で通常期間のマセレーションを行い、極端な味わいの感じられない落ち着いた雰囲気のベースワイン。
2.熟度がやや低くマセレーションの短いフローラルなワイン。
3.完熟、やや熱を帯びた雰囲気を感じるワイン。あまいベリー系の雰囲気を与える。
4.セラーの中でも特に温度差の激しいところに、補酒をせずに仕上げたランシオ。これが特に、南のハーブのニュアンスを与える。
5.醗酵が終わりきらなかった甘めのワイン。
 
とはいえ、ヴィンテッジが重なるにつれ、徐々に醸造の技法の焦点はあってきているように感じられ、年を追うごとの品質の変化は、刮目に値する。これらをブレンドして、パデルヌの風景と空気を封じ込めたような味わいを目指す。各キュヴェは蝋封の色でわかるようにしている。


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